Marumaru's TinyPlaza

(2011.12.06)(movie)劇場版けいおん!

『劇場版けいおん!』


※ネタバレがあります。














と定型的に書いてはみたももの

けいおん!に興味がある人なら周知の通り、けいおん!は別にストーリーや人間関係でネタバレがどうこうする作品じゃないんですよね。劇場の予告を観ても分かる通り、「至上最大の戦い!」とか「迫りくる巨大な敵!」なんてものとは無縁の日常が舞台ですものね。演出等でネタバレになるものはあると思いますが、そういうのを気にする人は、ネタバレのありなしなんていう書き手の判断は関係無しにけいおん!劇場版の感想なんて見ないと思うんだ。

感想

大画面でけいおん!を観られる幸せ。映画版の感想はこれに尽きます。

デスデビルの小芝居から入る劇場版らしい勢いのある演出。だけど、内容はどこまでもいつものけいおん!です。上映時間の2時間があっと言う間に過ぎて、一度も時間気にしませんでした。

ロンドンの街並や人の動きが丁寧に描かれていて、放課後ティータイムのメンバーと一緒にロンドン旅行を疑似体験しているような感覚。この「三人称視点で登場人物と一緒に過ごしている感覚」と言うのがけいおんの魅力だと思うんです。そして、作中で実在の場所が丁寧に描かれているからこそ、舞台訪問と称して現地に赴いた時、まるで作中に居るような感覚や作中で登場人物の視点を通じて感じた世界が実在のものとして目の前にある、そういう不思議なデジャブを楽しめるんだと思います。

ムギについて

今更ですが、私はムギが大好きです。何故なら、ムギは「楽しもう!」とする純粋な気持ちを実現する為の行動力を持っているから。ロンドン旅行に行きを決める時に真っ先に賛成するのはムギ。旅行にみんなが楽器を持ってきていると知るや否やすぐにキーボードを日本から送って貰うムギ。見知らぬロンドンで急遽演奏する事になった時、乗り気で賛同するムギ。「天使にふれたよ!」に限らず放課後ティータイムの楽曲を作曲するムギ。これらは全部、楽しい事が大好きで、楽しい時間をみんなと共有しながら精一杯楽しもうとするムギのポジディブさの表れだと思います。

お金持ちだから、とか作曲が出来るからなんて言うのは手段でしかなく、その原動力は「楽しみたい」と言う積極的な気持ちです。好きな事を心から楽しむ為に、精一杯ひた走るムギの姿は本当に綺麗で勇気を貰える。そんな姿に惚れてしまったから私はけいおん!のキャラクターの中でムギが一番好きなんだと思う。

あ、もちろん、唯をして「ムギちゃんが柔らかくて良かった」と言わしめる体つきもムギの魅力の一つだと信じて疑わないところではあります。

音について

映画館の中で大音量で聞くけいおん!は良かった。家の機材がしょぼいだけなのか、映画の録音が特殊なのかは分かりませんけれど、音がとても立体的に聞こえました。ロンドンの日常からライブの迫力まで、場面が音に乗って伝わってくる感じでした。この迫力が映画館まで足を運ぶ理由の一つなんだと思う。

音楽と言えば、卒業ライブの1曲目「五月雨20ラブ」のイントロが始まった瞬間テンションが跳ね上がりました。ベースソロで始まるこの曲のイントロはキャッチ―でとても格好良い。アルバム曲の中で一番好きな歌だったので劇場版で聴けて素直に嬉しかった。

この曲は放課後ティータイムの曲の中でもちょっと毛色の違うしっとりとした曲。だけど澪の曲として聞くと納得出来る曲です。どこか懐かしいメロディーの中に、一曲を通じて響き渡る澪のベースパートの力強さが澪自信を表しているような、そんな曲。

余談ですが、ライブで演奏したこの曲はライブVerとして編曲されていると信じたい。2番終わった後のソロの部分を放課後ティータイムが演奏出来るとは思えない……。

OP、EDが今までの流れを汲む曲調で、どちらも良い曲でした。特にEDの「singing!」は少し懐かしい感じのする格好良い曲です。映像も含めて80年代的な格好良さと現代の可愛さがあります。何より、ギターで弾いてみたくなる曲でした。多分だけど、ソロ以外はそんなに難しい事はしてないんじゃないかな、と思う。毎回けいおん!のEDは格好良くて弾いてみたいと思わせてくれる難度の曲なのが嬉しいです。

そして

EDが終わった後にまだスタッフロールが流れていて、あれ?尺が足りてない?と思ったら、あの演出です。今までけいおん!ファンを続けていて良かったと思う反面。あぁ、終わったんだなと再認識させられました。スタッフロールが流れる真っ黒のスクリーンの上には、観た人それぞれのけいおんの想い出が映っていたのだと思います。

卒業式が終わりじゃなくてその後も続くであろう放課後ティータイムの日常。その輝ける日常は本当に眩しくて。だけど、終わりを感じさせない終わり方と、真っ黒なバックに流れるアンコールのふわふわが終わった時、何故か自分の中でアニメのけいおん!はこれで終わりなんだ、と感じました。これからも明るく終わりの無い日常が続いていく事が示された事で、逆にハッと我に返ったのかな。上手く説明出来ないんですが、けいおん!はこれで終わりに持っていく流れに感じました。

何はともあれ、今までけいおん!を好きで居て本当に良かった。TVのけいおん!を好きで見続けいて劇場版を観た人なら多分満足する内容だと思う。実際、私も本当に楽しめました。


最後に。ここを突っ込むのは野暮と分かってはいるんですが……3泊5日のロンドン旅行を二つ返事でOKする家族達って良いよね。



義実たか こちらでははじめまして。義実たかと申すものです。
劇場版けいおん!に関して語る場を求めて彷徨う者です。
…というわけで、思わず書き込みさせていただいた次第であります。

私は音楽に疎いもので、音に関して語るものを持ちません。
しかし、それでも確かに「五月雨~」の入り方はかっこよかったし(さわちゃんの歩みも含め)、「U&I」も相変わらずよかった。何気に「ごはんはおかず」を無理矢理リピートする際の立て直し方もライブっぽいな、と。

で。ムギに関しては…ムギは劇場版になって異常に可愛くなったな、と感じました。いや、別にTV版の時可愛くなかった、というわけではなく、何だかその独特のボケ方や仕草が更に印象深くなったというか。
正直、劇場版におけるムギの台詞や行動は悉くがツボでした。一つ一つ何かしらコメント入れたいくらい。
その中でも特に「U&I」で唯と一緒にジャンプする姿がもう…あぁほんとにほんとに楽しいんだな、と感じられ、ひいてはHTTの皆がライブを音楽を楽しんでいる事が感じられて凄く良かったです。
あと「ちゃんちゃらおかしいわね!」。欠片も嘲りが入ってないよ!(笑)

でもって。
劇場版のストーリーを持ってアニメのけいおんは完成を見ました。
梓視点で描かれていたTV版を唯(達)の視点で描き補完する事で、彼女らの高校生活はもう何も描き残す所がなくなりました。
もちろん、まるまるさんがおっしゃるように軽音部の面々のゆるい日常生活は続いていきます。そういう意味で「終わらない物語」である事は間違いないでしょう。それでも、もう作品として描くものはない…アニメ「けいおん!」は終わったのです。

…でも…例えもう描くイベントも事件もなかったとしても…。ただただ、彼女達が笑っている姿を観たいなと幻視してしまう程度には終わる事を受け入れられない私もいるわけでして…。

長くなりましたが、「劇場版けいおん!」の感想としては。
けいおん!を好きで居て本当に良かった。今、とても幸せです。
これに尽きます。あと、この作品を作ってくれた人々に最大限の感謝を。

更に蛇足ですが。
野暮とは分かっていますが、金銭的な問題もさることながら、女の子だけで、しかも自由行動とか…私が親だったら許可できる自信がちょっとありません。
というか、「律も一緒だから」で説得できると思う澪って…萌え萌えきゅん。 (2011/12/23 19:32:15)

Marumaru >義実たかさん
あちらやTwitterではお世話になっています。
返事が遅くなって申し訳ありません。

感想ありがとうございます。
>「ごはんはおかず」の無理やり繰り返し
いつもはムギの役割だったのに、唯が主導している辺り、主人公として成長したなーと、妙に感慨にふけってしまいました。

>もう作品として描くものはない
そうですよね。劇場版の最後、大学生活の事を話しながら楽しそうに歩いて行くHTTの姿を見た時に私もそんな風に感じました。「彼女達の輝かしい日常はこれからも続いてく、でも"けいおん!"としてあなた達(視聴者)に見せられるのはここまでだよ。」と言われたような気がしました。それ以上はプライベートを覗くようで憚られるような、そんな感じがしました。

>…でも…例えもう描くイベントも事件もなかったとしても…。
"けいおん!"としてのストーリーはもう続けられないかもしれないですけれど、HTTとしての彼女達はこれからも観ていきたいですね。キャラ萌えと言われるかもしれませんが、それもまた良し!(笑)

特に劇場版だからと言う内容ではなく、1期、2期を通じて今まで追い続けて来て本当に良かった。って素直に思える内容でしたね。

>更に蛇足ですが。
もう、本当に突っ込んだら負けの部分だとは分かっているんですが、思っちゃいますよねぇ。けいおんファンの女子高生とかが舞台訪問と称して旅行をした時に何か問題に会わない事を祈るばかりです。 (2011/12/27 09:17:55)


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