Marumaru's TinyPlaza

(2011.12.11)(book)名もなき毒

『名もなき毒』/宮部みゆき


普通に楽しめた佳作でした。……って書くと偉そうですね。だけど、実際にそう思ったので仕方ない。「最高だった!!」と言う訳でもないけれど、特に気になるところも無く物語に引き込まれてしまう小説って意外と多くは無い気がします。

財閥企業のグループ会社で社内報を作る仕事をしている主人公が、ひょんな事から巷を騒がせる連続毒殺事件に巻き込まれて……という話。

新聞に連載されていたらしく、とにかくテンポが良いです。短いスパンで起承転結があるので一気に最後まで読めました。

途中まで話が色々な方向に膨らんで、それが中盤からラストにかけて綺麗に収束する展開。そして連続毒殺事件の影に隠された『名もなき毒』とは。うん、本当に綺麗にまとまってるんです。何か面白い本無い?って聞かれたら人を問わずに勧められる一冊。

主人公と財閥の会長である嫁の父親とのやりとりが、読んでいて一番楽しめた部分かもしれない。

余談ですが、財閥企業の会長の娘婿が社内報を作る小さな会社に勤めながら事件に巻き込まれてなし崩し的に探偵役をやる。と言う設定、作中でも「いつも事件に巻き込まれる」みたいな描写もあったのにどうやらシリーズ物じゃないみたいなんです。シリーズにしやすい設定……と言うか、ここまで設定作ってるんならシリーズにしないと勿体無いと思ってしまいました。



名もなき毒は、「誰か」に続く2作目ですよー (2011/12/19 17:57:24)

Marumaru そうなんですか!教えてくださってありがとうございます。早速図書館で借りてきて読んでみます。 (2011/12/19 23:29:24)


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