Marumaru's TinyPlaza

(2012.06.07)「杉本桜子」でピンと来た人は読んで欲しい日記

ブックオフで「同級生 恋愛専科2 Episode5」がタダ同然の値段で叩き売りしているのを見つけたので思わず買って来ました。

あまりに懐かしかったので、杉本桜子について想いを馳せながら当時を振り返ってみます。

ジャケットの通り、Episode5は杉本桜子が主人公のドラマです。ブックオフの棚を眺めている時に見知った名前のCDを見つけてジャケットを見た時のあの気持ち。昔の本を整理していたら頁の間から初恋の人の写真が出てきたような切ない気持ちでした。(全然例えになっていませんね)

杉本桜子と言えば、同級生2で隠しヒロインながらメインヒロインの鳴沢唯と人気を二分するヒロインでした。私の知る限り恋愛シミュレーションゲームにおける病弱で儚い雰囲気を纏うキャラクターのはしりではないでしょうか。

同時期にコンシューマーゲームでは「ときめきメモリアル」が一世を風靡してPCE→PS→SS(一応、GBとSFCもありましたね)と移植を重ね、主だったゲーム誌の表紙を飾る中、同級生2はPC用ゲームと言う事もあり、専門誌を除けば電撃王やコンプティークで息長く取り上げられ、恋愛シミュレーションとしては表の名作が「ときめきメモリアル」、裏(?)の名作が「同級生2」(含む1)と、そんな時代だったような気がします。

私の周りでも、ときメモ派と同級生派に分かれプラトニックラブがうんたらかんたらと熱い議論を交わしていた気がします。当時は「萌え」と言う表現も今ほど柔軟な用法では使われておらず、少なくとも安易な感嘆符の代替になるような言葉ではありませんでした。だからこそ、自分が好きになった登場人物の良さをそれぞれが自分の言葉で語っていました。

閑話休題。

私が考える杉本桜子の物語の魅力は、男性が主役の良質なファンタジーを見せてくれる点だと思うんですよ。恋に恋する、夢に夢見るドラマのような展開。

所謂、乙女願望のテンプレートとして扱われる「白馬の王子様が迎えに来てくれる」シチュエーションの男性版です。それは、病弱の少女を見つけた主人公が病院と言う檻から囚われの姫を助け出す英雄譚。

実際に付き合うとか将来の事は考えずに、ただただベッドに佇む桜子の可愛さと、桜子の気を引き病院から連れ出そうとする強引ながらも優しさに溢れた主人公の姿は、思春期の自分を重ねるのに最適で八十八町の冬に繰り広げられる物語に憧れ、空想に浸ったものです。

その物語の中で一番の盛り上がりと言えば、12月30日の夜の病院でのデートですよね。桜子の文字通りの庭である病院の小さな林の中で、健気に普通の女の子として振る舞い扱われる事を願う桜子。舞い落ちる雪の中で見つめあう二人。そして樹の下で主人公は桜子の大事にしているオルゴールを渡されます。そのオルゴールの奏でる旋律が本当に切なくて、シチュエーションと相まって忘れられない記憶になっています。

ちなみに、どうでも良い話ですが、私の携帯の着メロはもう何年もずっと、このオルゴールのBGMだったりします。リアルの知り合いなら「ああ、あの暗い曲ね」と分かる人が居るかも。

そしてその後の衝撃的な事件を経てからの、美佐子さんの励まし。もうこれは本当にこのゲームのレーティングだからこそ出来る展開。情けなさも悲しみも全て包み込んでくれる美佐子さんの母性にやられた人は数知れないのではないでしょうか。当然、私もその一人でした。

ちなみに、年が明けてからの展開についてはコメントしにくいですが……。良いんです、あれで。下手にバッドエンドで終わらせて暴力的な泣きを誘うよりは、強引でもハッピーエンド至上主義の方が健全だと思うの。

なんにせよ、(設定的に)弱く、健気で儚いヒロインと、スケベだけど根は優しくて行動力がある。と言う90年代に流行った黄金パターンでした。良い悪いじゃなくて、こういう王道が心地良く感じられた時代でした。

5年程の後に「Kanon」で病弱、ストール持ちと言う設定でしかもシチュエーションで魅せる美坂栞と言うヒロインが登場した時は「何このポスト桜子」とか思ったものですが、自己主張をしない主人公と、病に倒れました→奇蹟で復活しました。さあ泣け!と言うご都合主義かつ物語の神の視点的な力によって展開する物語に閉口したものです。違うんだよ、奇蹟は良いけれど、主人公は何もしてないじゃないか、と。

まあ、これは今だから言えることであって、99年の当時はボロボロと泣き崩れ、噴水の前のCGを携帯の待ち受けにしていたものですが……良いんです、当時は猫も杓子もKanon一色な時代だったんです。この一言で説得力が全くなくなりましたね。


そんな訳で、杉本桜子についてつらつらと書いてみました。何も資料も無しにこれだけ一気に書けるんだから、やっぱり私は桜子が好きなんだろうと改めて感じてしまいました(笑)さて、じゃあこれから一昔前に想いを馳せながらドラマCDを聴いてみることにします。



nazyo ピーン (2012/06/08 22:37:31)

Marumaru ありがとう…ありがとう……。 (2012/06/09 09:12:07)

miu 眠れない夜に「杉本桜子」で検索してピーン (2013/05/15 02:02:56)

Marumaru >miuさん
コメントありがとうございます。「杉本桜子」で検索するとそれなりに上に来るんですよね。みんなもっと桜子について語ろうよ!とか思ったりしますが。当時のプレイ世代のまさにファンタジーと言える良いキャラクターでした。 (2013/05/15 11:20:06)


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