Marumaru's TinyPlaza
(2013.06.19)(book)風の中のマリア
『風の中のマリア』/百田 尚樹
とある帝国の女戦士として生を受けたマリア。「疾風のマリア」の二つ名を持つ彼女が駆け抜けた生涯を描いた話。
と言う紹介を読むとファンタジー小説だと思われると思いますが、そうじゃないんですよ。本を読み始めたら1頁目で分かる事なんですが、その衝撃が大きかったのでもしもこのサイトを見てこの本を読もうと思った人の為に伏せておきます。
自分に与えられた「務め」を精一杯全うしながら、激しく戦うマリアの生涯を通じて、生きる意味、そして人の一生のについて考えさせられる物語でした。「自分はこの為に生きている」と感覚と言うのはなかなか感じる事が難しい事だと思うので、マリアの視点を通じて追体験をさせてもらったような気持ちです。
それに、作品のテーマについて作者が本当に勉強しているのが分かるので読んでいて面白かった。テーマについて触りの部分はそれまでの知識で知っていても、そこからは全然知らない事ばかりだったので非常に興味深く読めました。世界って本当に上手く出来ているんだな、と。
何より、難しい事を書いている訳ではない、むしろとても簡単で読みやすい文章なのに話がとても深い。こういうのが文章の上手さであり物語の魅力なんだと感じました。後で調べてみると、TVの構成作家をされてた人だと知って納得。以前にも構成作家の人の本を読みましたが構成作家の人が書く文章は魅力的だというイメージになりました。
本当に面白い一冊でした。