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(2014.07.14)(book)プリンセスハーツ

『プリンセスハーツ』シリーズ/高殿 円


『トッカン』で知り、このところ夢中になっていた高殿さんの作品です。外伝も入れて全11巻の長編シリーズにつき、少しずつ読み進めていたのが、先日遂に読了を迎えてしまいました。

内容は女性向けファンタジーってジャンルになるのかな?「小学館ルルル文庫」なる存在を初めて知りました。とある公国に妃として嫁いできた王妃は実はニセモノだった。しかし、様々な理由から夫婦は妻がニセモノと知りつつ仮面夫婦を続けるのであった。って言うぱっと見る限り女性ものの話。

だったんですが、シリーズが進むに連れて各国間の人間関係が絡み合うラブロマンスありの立志伝になっていました。人間関係がとにかく複雑かつ、固有名詞や別名が多いと言うことで、流し読みするにはちょっと辛かったんですが、その人間関係を明らかにすることが物語の軸になっていました。

高殿円さんの小説はプロットががっちりと組まれていて、それを見ながら逆算的に物語を作っているような気がします。たから、読んでいて後半のピースが綺麗に嵌っていく心地よさを感じられるんです。

が、今回は古の文化としての「魔術」や「精霊」が登場する割と何でもありの世界観に加えて、「実はこうだったんだよ!」って言う後だし設定が多かったので、ちょっとご都合主義が強すぎたかなーと。

その分、主人公ルシードの活躍っぷりや人間関係のロマンスが際立つので、読んでいて美味しく頂けました。固有名詞は完全に把握する必要もないし、そういう意味では寝る前にちょこちょこと読み進めるのに良いシリーズでした。

周りで多分誰も読んでいないだろうし、薦めても誰も興味を示さないだろうから、話のタネにする事は出来ないのが残念。公式サイト張っとくので、寝る前のお供が欲しい人は読んでみてー。

このシリーズ、近所の図書館に1巻だけ寄贈で置いてあったのを読んではまった関係で、2巻以降は県内の別の図書館から取り寄せて頂いたんですが、表紙が思いっきり「女の子向け!」って感じだったので、三十路過ぎたおっさんが借りるには少々辛かった……。




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