Marumaru's TinyPlaza

(2015.04.15)(book)風をつかまえて

『風をつかまえて』/高嶋哲夫


北海道の小さな鉄工所を舞台にした、風車による町おこしのお話。

主人公が実家の鉄工所に帰ってきた息子が主人公なんですが、何も分からない状態で町議会に言われるままに風車を作り、それが失敗に終わる。それから家族や地元の同級生、周りの人間を巻き込んでもう一度再チャレンジ。という流れが非常に盛り上がります。

何より、風車を作る過程で主人公が風車自体に興味を持ち、事業として成り立つ立派な風車を作る、と意気込むのは熱かった。作者が工業系の研究者なので、風車についてのあれこれが分かりやすくも詳しく語られています。

話自体が短いせいもあって、後半の流れがちょっと性急だったのと、人間関係(特に主人公)をもう少し掘り下げて欲しい気もしましたが、多分書きたいのはそこじゃないんだろうな、と読んでいて感じました。

風車という珍しい題材を扱った読みやすい一冊でした。




<(2015.04.10)サイト移転しました (2015.05.27)(book)燃えよ剣>