Marumaru's TinyPlaza
(2015.09.05)(book)居酒屋ぼったくり
『居酒屋ぼったくり』/秋川滝美
東京の下町にある、個人経営の小さな居酒屋。先代の両親を継いで、若姉妹が切り盛りする、安くて美味しく飲めるお店。そこの常連客や飛び込みのお客さんの間で繰り広げられる人情味溢れる物語……。
なんか、どこかで聞いたような…というか最近よく聞く設定ですよね。本屋さんで表紙を見た時に気になっていたのが、図書館で見つけたので読んでみました。
舞台となるお店は、商店街の中にある8席のカウンターとテーブル2脚の小さなお店。なんか、うちの近所にある私がよく行っているお店を思い出しました。
毎回、話のテーマに合わせたお酒と肴を登場させ、最後にお酒の紹介と肴の作り方が載ってました。短編集なんですが、登場人物やストーリーが微妙に繋がっていて、面白かった。
面白かったんだけど、こういう居酒屋モノは、話を読みながら自分が居酒屋に行った時の事を想像しながら、体験と重ね合わせて楽しめるのが良いですね。んで、そういう事をしながら一杯飲みに繰り出したくなるところまでがワンセット。
実際は、こんな都合の良いお店も、人情味溢れる常連衆も、絵に描いたような綺麗な飲み方も、なかなか難しかったりはするんですが、そういう理想像を思い描きながら、ほっこりと癒されるのも良いんじゃないでしょうか。
行き着けの気心が知れたお店で飲む一杯は、本当に美味しいものですよね。その美味しさと幸せの形は、人それぞれの中に違う形ではっきりと在るものなんだと思います。それを少しでも共有出来る場所に、もっともっと出会いたい。