Marumaru's TinyPlaza

(2015.11.05)琳派誕生四〇〇年記念を観てきた

仕事で京都に行ったついでに、京都国立博物館に来ている、琳派誕生400年記念 琳派 京(みやこ)を彩るを観て来ました。(このURLのページ、次の特設が始まったら違う内容になっているかもしれません)

平日の昼間にも関わらず入場に50分待ちの大混雑。屋内に入ってからが長かった……。

琳派って何?って話ですが、要は特定のデザイン、技法を用いて描かれた作品の総称です。上の写真に載ってる「風神雷神図」が一番有名なので、あんな感じの絵柄の作品の総称だと思ってもらえば間違いないかと。(雑すぎ)

そして、この琳派が誕生から400年の節目を迎えるという事で、界隈では色々と盛り上がっていたんですが、その中心となる特設展という事で是非とも観たい展示でした。

この琳派の面白いところは、師匠から弟子へと伝わった技法ではなくて、一旦興った技法が一度途絶え、その技法に魅せられた人の手によって時と場所を変えて後の世に蘇ったというところ。

そして、その典型としてよく使われるのが、前述の「風神雷神図」なんです。この絵は琳派を代表する(少なくとも)3人の手によって描かれていて、最初に俵屋宗達が描いたものを、尾形光琳が模写し、更にそれを酒井抱一が模写した事で有名になっています。

ここで面白いのは、3人目の酒井抱一は俵屋宗達が描いたオリジナルを知らないというところ。実際、同じモチーフの絵とはいえ3枚はそれぞれ特徴があって、(私の見た目では)酒井抱一の描いた絵は、一番オリジナリティに溢れているように見えます。

尾形光琳は俵屋宗達のオリジナルに魅せられ、それに独自の解釈を加えて新たな「風神雷神図」を描きあげ、酒井抱一は後の世になってから、尾形光琳の描いた絵に魅せられ、新たな琳派の技法と解釈で同じモチーフを描く。そういった変遷の中で紡がれていく「琳派」とは何のか?そういった事を考える意味でも、この3枚の「風神雷神図」の本物を3枚並べて観れた事は大変に意義のある体験でした。

が、惜しむべきは時間の都合で駆け足での観覧だった事と、とにかく混雑しすぎていてじっくりと観られなかった事。書簡でのやりとりの展示や、茶器、有名な絵の下絵等々、色々と興味深いものはあったんですけど、人に酔ってしまいました。

国立博物館に限らず、京都は学生時代を過ごした思い出のある街なので、時間をとってゆっくりと見て回りたいなぁ……と思いつつ早幾年。

余談ですが、京都国立博物館の昔の建物、いつ見ても本当にお洒落です。




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