Marumaru's TinyPlaza

(2016.05.05)(book)恋と禁忌の述語論理

『恋と禁忌の述語論理(プレディケット)』/井上真偽


大学生の男の子とアラサーの黒髪ロングお姉さん演じる安楽椅子探偵のお話。

うん。最初、ビブリアみたいな話だと思ったよ。と言うか、表紙絵描いてるのがビブリアと同じ越島はぐさん。この人の描く「(主人公から見た)年上のお姉さん像」は、まさにファンタジーと言っても過言じゃないと思う。

内容について。数学論理を使用して、既に結論が出ている事件を再検証し、別の結果を導き出してしまう内容が新鮮で引き込まれました。最初は論理記号が登場する文面に頭の中ハテナマークが浮かんでいたんですが、ちゃんと分かりやすく説明してくれるので問題はありませんでした。

何より、そうやって理路整然と証明してくれるから、その結果にとても説得力があります。一定の理屈で導き出された結論を再度証明して、そのどちらもが正しいように思えるという、何が起こってるかよくわからないけど、すごい事が起こってる!という狐に化かされた気分を味わえました。

多分意図的にでしょうけど、造語ではなく真面目な専門用語を敢えてルビで読ませているので、心地よい厨二病感を味わえるところも好みです。

途中から、「連載誌が変わった!?」と思うような変化がありましたけど、それも含めて複線を綺麗に回収してくれています。そして、複線回収等の説明に絡めて古典ミステリの解説もしてくれるのがニクい。

そして、オチがこれまた綺麗にストンと落としてくれるんです。

ちなみに、この作品はメフィスト賞受賞作なのですが、「全てがFになる」といい「クビキリサイクル」といい、メフィスト賞作品は琴線に触れる作品が多い気がします。

とにかく、全編を通じて理屈を通しているので、読んでいて自分で自分を納得させやすいというのが特徴なのかな。ただ、10人が10人好きな作品ではないと思う。ビブリアみたいな年上お姉さん好きは、それだけで読んでも良いんじゃないでしょうか。最近読んだ本の中で一番自分好みだった。




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