Marumaru's TinyPlaza

(2017.05.08)(book)とある飛空士への追憶

『とある飛空士への追憶』(新装版)/犬村小六


例えるなら90年代のポカリスエットのCMみたいな本当に爽やかな読後感の一冊でした。

貧民街から神父さんに拾われて飛空士を目指した主人公と、モノとして嫁がされる故に心を閉ざした皇女のお話。しかも、二人は過去に一度だけ会っているっていうね。もうね、本当に王道。

本シリーズは長編として続いているみたいなのですが、これは受賞作で、描かれているのは物語のほんの序章の部分です。むしろまだ物語は始まってすらいません。と言う、この部分だけで一冊書きあげた事が驚きでした。この物語どうやって風呂敷を畳むんだ??って思ってたら、これまた王道の方法で綺麗にまとめてくれて、ここまでやってくれたらもう文句なしです。

ただ、少年少女の放つ輝きがオッサンには眩しすぎたので、この作品を語るには、正統派どストレートのボーイミーツガールものを胸を張って面白かった。大好きなんだ!と言い張る気概が必要だと思いました。

多分、ラピュタに影響を受けているような気がするので、爽やかな冒険譚として中学生ぐらいの人に読んで欲しいと思った作品でした。

そして、続きが気になるので、続編の「~の恋歌」にも手を伸ばそうかと考えているところ。




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