Marumaru's TinyPlaza
(2026.07.02)(game)余命100歩(+余命10歩)
『余命100歩』(+余命10歩)
きっかけはYoutubeで見つけた『余命10歩』というゲームでした。呪いにより10歩歩くと死んでしまう勇者が、10歩内に魔王を討伐するというパズルのようなRPGに興味を持ちました。ネタバレをしたくなかったので、概要だけ見た段階で動画は消してしまったんですが、本当に前情報無しでプレイ出来て良かった。
早速、『余命10歩』をプレイしようと探しましたが見つかりません。どうやらこのゲームは、フリーで公開されている『余命100歩』というゲームの製品版に収録されているおまけソフトのようでした。
なら原作からプレイをしよう、という事で製品版の『余命100歩』を購入してプレイしました。
いやー、本当に面白かった。このゲームはタイトル通り、100歩歩いたら死んでしまう主人公が100歩内に魔王を討伐するのが目的のゲームです。100歩と言っても、最初は少年から始まり、残り75歩で勇者、50歩で中年、25歩で老人となりステータスも変わってきます。
最初は街の中を歩くだけで寿命を迎えてしまい、一つのイベントをクリアするのもままならない状況でしたが、プレイごとに1から始まるトルネコ形式のゲームの中でも、周回によって微妙に引き継げる部分があって、その開放とゲーム内容の把握によって100歩内で出来る事が微妙に増えてきます。この匙加減が本当に絶妙。
そして、全体像が見えた後は、いかに100歩内で必要な事を済ませるかというパズル的な要素が入ってきて、この攻略を考えている時間がとても楽しいんです。最初は絶対に無理だと思っていた100歩内での魔王討伐を成し遂げた時のカタルシスはすごかった。ゲームしてるっていう実感を味わえました。
ですが、魔王討伐でゲームは終わりません。その後はゲームを更に遊びつくすべく勲章のコンプリートを目指すんですが、ここが更に面白い。通常クリアより更にシビアな条件でのプレイが求められるのと、マルチエンドのルートを埋めていくことで見えてくる物語の真相。まさかここまで深みがあるゲームだとは思っていませんでした。
プレイ時間は10時間程度と書かれていたのですが、おそらくそれぐらいでコンプリート出来たんじゃないかと思います。攻略サイトを見たい欲求をはねのけ自力でクリアした時の達成感は大きかったです。
その後、待望の『余命10歩』をプレイしました。『余命100歩』のエッセンスを濃縮したような作品でした。小粒でピリリという山椒のような作品。10歩で何が出来るのか?と思っていましたが、ああ、なるほど、そういう事ね。という用意されたレールに気づいた時にアハ体験を味わえました。設定等が『余命100歩』を引き継いでいるので、クリア後に楽しむのが良いと思います(もともと、『余命100歩』のおまけゲームですし)。
2作品とも本当に面白かった。好きなだけレベル上げが出来る通常のRPGの有難みを感じさせてくれた作品でした。プレイ感覚的に『プリシアの冒険のやつ』に似ているので、こちらが好きな人にもオススメ。
(2026.07.06)(book)虹の歯ブラシ 上木らいち発散
『虹の歯ブラシ 上木らいち発散』/早坂吝
先日読んで面白かった早坂吝さんの『上木らいち』シリーズ第2巻。このシリーズってちょっと下ネタよりの内容のミステリというコンセプトみたいです。
たーわーマンションに住むらいちの室内におかれている7色の歯ブラシ、その(日本における)虹の構成色に絡めた7つの短編で構成される物語でした。短編集で読みやすく、各話のボリュームも中編規模のものからショートショートレベルのものまで様々で読みごたえがありました。
割とフィクションと言うかSF的な内容が多かったのですが、それも含めて最後の風呂敷の畳み方が新鮮でした。最後の展開に好みが分かれるところではあると思います。個人的には最後のネタの為に途中の内容が多少荒唐無稽になったようなイメージ。
(2026.07.06)(book)誰も僕を裁けない
『誰も僕を裁けない』/早坂吝
早坂吝さんの『上木らいち』シリーズ第3巻。
いやー、冒頭に屋敷の見取り図があるミステリはそれだけでワクワクしますね。屋敷にメイドに殺人事件、とワクワクする要素しかない作品。最後に屋敷が炎上しなくて良かった。
相変わらずの叙述トリックが冴える作品でした。異様とも言えるプロペラ型の屋敷に最初は、こんなトリックの為の屋敷をつくって、と思ったものですがちゃんと屋敷の理由も説明されており、と言うか物語の根幹にがっつりと関わっていて驚きました。
少しネタバレになりますが、一度きりの逢瀬からをきっかけに一途に相手を想うというストーリーは個人的に大好きです。そして、その展開に絡めたタイトル回収、更に意味を重ねるタイトルと非常に綺麗な構成でした。
作中で触れられている「社会派と本格ミステリが融合した作品」の存在について、この作品自体がまさに前述の作品となっており、作品の存在をして作中の質問の解としている構成がとてもスマートです。
相変わらず下ネタも満載で楽しく読めました。
前作の『虹色の歯ブラシ』が個人的に少し微妙だったんですが、今作は本当に面白かった。
(2026.07.12)(book)双蛇密室
『双蛇密室』/早坂吝
早坂吝さんの『上木らいちシリーズ』第4巻。2つの時代と2つの密室2、そして2つの殺人事件、それら関わる2匹の蛇とは……。という感じの物語。
何が面白かったかって、今まで読んだ事も無いような初めてのトリックを見せてくれた事。そして、絶対に現実には無理だろう、と思いながらも、知識と理論を積み重ねる事で「まあ、そこまで言われるのなら……」と納得させてしまう力がある事。
この物語はあくまでフィクションなので、その世界の中で理屈が通っていれば良いんです。現実には無理だろうと思われる事を、言葉を積み重ねて物語の中にトリックとして顕現させた事。そのトリックが今まで見たことも無いようなものだった事。そして、そのトリックを使ったストーリーと伏線が非常に綺麗だった事。いい話でした。この作者のトリックにはいつも驚かされます。
加えて、このシリーズ定番の下ネタ要素も存分に盛り込まれています。解説にも書かれていましたが、エロくしようとしているのではなくて、下ネタを上手く物語に絡めているところが面白いな、と。
