Marumaru's TinyPlaza

(2009.10.17)(book)めぞん一刻

『めぞん一刻』/高橋留美子


数年に一度、めぞん一刻が無性に読み返したくなる時があります。先日、その時が来てしまったので、もう幾度目か忘れた読み直しをしてきました。というか、BookOffで愛蔵版を大人買いしてしまった。

個人的に、時を経て読み返した時に、自分に違った物語を見せてくれるのが本当の名作だと思っています。勿論、めぞん一刻もその例に漏れず。

改めて読むと、このお話って本当にストレートな展開なんですよね。音無響子さんを頂点とした五代くん、三鷹さんの三角関係に加えて五代くん取り巻く女性関係に嫉妬する響子さん、という構図で最後まで話が進んでいきます。登場人物こそ個性的な性格ですが、舞台は80年代の東京で、響子さんが未亡人という以外は特に突飛な設定は使わず、心情描写を中心に話が進んでいきます。

すれ違いや勘違い、ケンカや仲直りをしながら次第に近づいていく二人の心。そんなラブコメの王道的な展開を、現実の連載時期とほぼリンクしている作中の5年間の十分な時間をかけてじっくりと描かれています。今となっては古典的な王道ストーリーかもしれませんが、その王道を確立した作品として本当に引き込まれるお話です。

最初にも書きましたが、最初にこのお話を読んだ時は、管理人である響子さんに憧れる想いでいっぱいだったのですが、今回の読了後は、響子さんって実際に居ると結構面倒なタイプなのかも……とか思ったり。でもまあ、響子さんが魅力的なキャラクターである事に変わりはありません、が。

それにしても、80年代~90年代の高橋留美子作品は本当に神懸かっている気がする。なんと言うか作品からオーラが出てるもの。




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