Marumaru's TinyPlaza

(2011.01.07)(book)モルフェウスの領域

『モルフェウスの領域』/海堂 尊


読み終わった時に、自我と記憶の在り処について考えてしまいました。最近、こんなテーマのストーリーの物語をよく見てる気がする。

チームバチスタのシリーズ。コールドスリープしている対象を監視する人の視点で、コールドスリープによって将来起こりえるであろう可能性とその解決法の一つを描いた物語です。

コールドスリープと自我と人権っていうテーマも面白いんだけど、何より登場人物のやり取りが熱くて面白かった。頭の回転が良い普段は理論立った会話をしている人の心が、ふとしたキッカケで揺れ動く。そして感情を爆発させるんだけど、頭の回転が良いからこそのスペシャルな解法を使って問題を解決しようとする。なんと言うか、好きな展開でした。

医療話なんだけど、実はかなりのSF。コールドスリープと言う、「あれ?もう実現してたっけ?」ってぐらいの近未来技術から始まるので、現実が舞台の話でも違和感なく入り込めます。でも、読了後に熱が冷めてから考えてみると途中からの展開は完全にSFでした。 登場人物が少なく、テーマも一貫しているので読みやすく、頁数も少ない事もあってので一気に読めました。そのぶん、物語で言いたい事がストレートに伝わってきた感じです。本当にこの作者は話を書くのが上手いと思う。

それと、バチスタシリーズと登場人物が繋がっているので、シリーズが進むごとに登場人物達の新しい側面が見えてくるのも楽しみの一つ。



kamikuzu 面白そうだな。 バチスタシリーズって映画とかドラマでやってる奴だよね? 紹介されている本と合わせて3作品なのかな。
寒い中での消化お疲れ様です。  (2011/01/09 06:51:17)

Marumaru 「田口・白鳥シリーズ」って名前のミステリーシリーズなんだけど、今は全部で5冊出てる。調べて見たら、モルフェイスは登場人物がかぶってるだけでシリーズではなかったみたい。
家の少し前で火柱が上がってたからねぇ。焦ったよ。 (2011/01/09 11:48:31)


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