Marumaru's TinyPlaza

(2013.07.22)(movie)劇場版 STEINS;GATE

『劇場版 STEINS;GATE 負荷領域のデジャヴ』


今更ですがシュタゲ劇場版。観に行ったのは少し前で、観た当時の熱は失われているんですが、記憶から消えないうちに感想を覚書。


※ネタバレ前提で書いているので、映画及びシュタゲ本編がまだの方は気をつけて下さい。










シュタインズゲート世界線の過去部分を使ってオカリンが鳳凰院凶真として目覚めるキッカケを描いた事が素晴らしい。と言うか個人的にそこが全て。

祖母が亡くなってショックを受けているまゆりを救う為にオカリンがまゆりを「人質」にする訳ですが、確かに何かのキッカケが無いとあそこまでの変化は難しいですから。ゲーム本編でタイムリープを繰り返して紅莉栖が死んでしまう世界を回避するオカリンですが、「紅莉栖とまゆりが二人とも死なない世界(世界線)」の過去では紅莉栖がオカリンを救う為に頑張っていたって言う展開は熱いです。ダイバージェンス1.048596-シュタインズゲート世界線-は本当に幾重の奇跡を紡いで出来上がった細い世界線なんだな、と。

それに、ゲーム本編で登場したメインルートの3つの世界線、α世界線、β世界線、シュタインズゲート世界線の中で過去が明らかになっていないのはシュタインズゲート世界線だけですもんね。上手い具合に設定を使ったなと関心しました。

ですが、シュタインズゲートの「世界線」「バタフライエフェクト」と言うのは本当に便利な概念ですね。一昔前ならパラレルワールドの一言で片付けられていたのに、これらの概念を使うことで「未来を改変する」「世界をループさせる」と言う物語の構成がそれなりの説得力を持って出来るようになったと思います。ここら辺、SFファン的には何を今更……って言われそうですが。

例えば、劇場版の「R世界線」の考え方。シュタインズゲート世界線から0.000001%だけずれた世界線で、シュタインズゲート世界線が安定しない世界線だから何か強烈な出来事で固定しないと近くを走るR世界線に引き寄せられる、そんな感じだったかな。後付でサイドストーリーやIFストーリーを好きなだけ作れる設定ですね。

シュタゲ自体はPSPで新作が出たり、劇場版BDの限定版に新録ドラマCDが付いていたりと世界は広がり続けているようですが、私の中ではこの劇場版で一段落。いくら続きが作りやすいからと言っても、もとが綺麗にまとまっている話なのであまりまぜ返すのも綺麗じゃない気がします。

あ、劇場版のデレまくった紅莉栖も良かったです。




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