Marumaru's TinyPlaza

(2015.12.23)(music)春情ロマンティック

『思い出以上になりたくて / 春情ロマンティック』/Lily White


記事タイトルがB面(敢えて書きます)なのは、視聴動画を見た時に、「春情ロマンティック」の方が気に入っていたから。

デビュー曲から一環して昭和路線を貫いてきたLilyWhiteですが、「微熱からMystery」を至高の曲と崇める私には、「春情ロマンティック」の昭和の懐かしさとアイドルの華やかさをベースに現代風のトッピングを施された雰囲気にメロメロ(死語)になってしまいました。よくよく見てみると、春情~の作曲・編曲って微熱~と同じ佐々木裕さんでした。多分、私はこの人の曲調が好きなんだと思う。

で、上手く言えないんですが、「春情ロマンティック」って曲がとにかく面白いんです。掛け声から始まる意外性、サビに向かってジワジワ盛り上がるBメロ、タメが入るサビ、そして余韻を残すサビ後。更にCDを買ってフルで聞いた時、2番終わりから大サビに向かっての展開で震えました。えぇ、言葉のアヤではなくて本当に。転調をしながら伴奏と共にうねるように盛り上がる展開、そして大サビの入り方。もう私の好きな要素しかない。

LilyWhiteとしての最後になるであろうCDの2曲目。本当に最後の最後を飾るに相応しいグランドフィナーレ曲だと思いました。

それと、歌詞も面白いんです。流石、畑亜貴という概念さん。最初、タイトルの「春情」という単語を見た時に、意味は分かるけど聞きなれない言葉だったので、他の部分にある歌詞と韻を踏んでいるのかな?と思ったりしたんですが、フルで聞いて分かりました。この歌って恋のトキメキを、春になって初めて花の蜜吸う羽化したての蝶々に例えた歌だったんですね。だから、春めいた期待と色恋の意味を織り込んだ「春情」なんだな、と。やっぱり畑さんの語彙感覚は凄まじい。

歌詞について細かいところを2点言うと、凛ちゃんパートで「へんなの へんなの」って歌わせると、「恋のシグナルRin rin rin!」が頭をよぎって仕方ないです。それと、2番の海パートで語呂の関係かもしれませんが、「いつか"どっか"で会いましたか?」って歌詞なんですよね。「どこか」じゃなくて「どっか」海の口から出る「どっか」って単語に妙な違和感を覚えるんですが(海の声で感情を込めて歌っているだけに余計と)、その必死さが海っぽくて良いのかも。


次に表題曲の「思い出以上になりたくて」ですが、視聴動画で聞いた時に、ちょっと昭和を戻りすぎてるなぁという初印象を受けました。曲で例えるなら「秋のあなたの空遠く」ぐらいに。こういうザ・歌謡曲という曲自体は好きなんですが、リリホワに歌わせなくても・・・・・・と思っていました。

が、2番を聞いて印象が変わりました。1番を聞いただけだと分からなかった、歌詞が描く物語の全貌が見えて、この物語ならこの曲調しかない!とまで思いました。私がちょろいんだか、それだの書く畑さんが凄すぎるんだか・・・・・・多分、両方。重い話なのに悲恋で終わっていないところが、ラブライブの曲という感じがします。

恋愛ソングだと、Printempsも「Love marginal」や「NO EXIT ORION」でセンチメンタルな物語を歌っていますが、Printempsの場合は、幼気な女の子が切ない恋心を歌っているっていうギャップが良いのであって、Lily Whiteの場合は酸いも甘いも噛み締めた大人の色気的なものが魅力です(声優さんの実年齢じゃなくて、キャラ設定的に)。

最後にジャケットイラストについてですが・・・・・・どこの嬢ですか。


とにかく、微熱~に次いでお気に入りになりそうなこの曲、現在進行形でリピート再生中です。


追記:今、CDを仕舞おうと思って帯を見たら、キャッチフレーズが「ずっとあなたが、好きでした―――。」もう、何これ(大歓喜)ここまで昭和に徹せられると気持ち良いです。リリホワって昭和テイストを真似てるだけじゃなくて、真剣に昭和の良さを今に蘇らそうとしてる気がする。このむず痒い感じをこの年になって感じるとは思わなかった。って、語っちゃうぐらいの、おっさんホイホイコンテンツです。




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