Marumaru's TinyPlaza
(2016.10.15)(book)「電脳マジョガリ」狩り
『「電脳マジョガリ」狩り』/向井湘吾
「ウイング」としてゲーム実況をする北城翼は、春谷香織の姦計にはまり弱みを握られる事となる。レイプ犯としてネットに晒されたくなければ、「魔女狩り板」という匿名掲示板との戦いに手を貸せ、と。魔女狩り板との戦いは、まとめサイト管理人、情報屋、「踊ってみた」ダンサーなどを巻き込んで広がっていく。
2016年5月出版ということもあり、程よくネットの流行を取り入れたながらも、必要以上にネットスラング的なものに傾倒する事もなく読みやすい話でした。作者がポプラ社で児童文学を書かれている人なので、流石のバランス感覚と言ったところでしょうか。
ネットが舞台になっていますが、昔からある「魔女狩り」連鎖の構図にネットの匿名性を絡めた現代の魔女狩りの姿がテーマだと思いました。
面白かったんですが、少しご都合主義が強すぎたのと、最後の落としどころが今までの流れと噛み合っていないような気がしました。書きたかったテーマや設定はすごく伝わってくるんですけどね。テーマが多すぎて中途半端に掘り下げながら最後で無理やりくっつけた印象。
素直にボーイミーツガールで良かったんじゃないかな。むしろ、それが読みたかった。