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(2018.04.23)(book)異世界のんびり農家 01

『異世界のんびり農家 01』/内藤 騎之介


Webサイト「小説家になろう」で連載され人気が出て書籍化された所謂「なろう系」小説。今まで存在は知っていたものの読んだ事が無かったんですが、この度知人から勧められて読んでみました。

正直、驚きました。異世界転生モノなんですが、なろう系の界隈では異世界転生が至極当たり前らしく、冒頭でいきなり転生していました。ファンタジー小説で言うところの「俺は○○。冒険者。」ぐらいの勢い。異世界に巻き込まれるっていう設定なら今まで色々と見てきましたが、転生ってこんな気軽なテンションで書くものだっけ?と。

内容は、異世界に転生した主人公が転生時に神様から「健康な体」と「万能農具」を授かり、異世界で農業をしながらスローライフをおくるというもの。この設定が、俺TUEEEEどころじゃなくてまさにチートでした。念じればどんな農具にでも形を変える「万能農具」、それを使っている間は疲れる事もなく、それを使えばどんな不毛な大地でも一瞬で肥沃な畑に変わり、普段の数倍の速度で成長し、自分の思った作物が育つ……ナニソレ。

途中から作業を手伝ってくれる犬や織物をしてくれる蜘蛛も仲間になり、様々な種族の仲間(主に女性)も増えていく訳なんですが……。本当に何一つ困らないんです。妨害要素の無いシムシティでひたすら都市を発展させている様子を眺めている感じ。起承転結で言うと、起があって承が延々続く感じ。

読んでいて困惑していたんですが、途中で気づきました。これって、まんがライフとかの4コマ漫画を読んでいる感覚で読む小説なのかもしれません。血沸き肉躍る戦闘、巨悪に立ち向かう英雄譚、国と国との抗争劇、そんなのではなくて、細かい設定は置いておき、異世界のゆるい生活をひたすら眺める物語。

面白い面白くない以前に、色々と衝撃を受けた作品でした。読み終わって気づいたんですが、死者が誰も出ない小説を読んだのは本当に久しぶりかもしれない。




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