Marumaru's TinyPlaza
(2018.12.27)(book)フォルトゥナの瞳
『フォルトゥナの瞳』/百田尚樹
白い方の百田さん。
オチが弱いです。最後の盛り上がりに欠けると言うか。「他人の死が見える」能力がある人の話なんですが、この設定は話の展開が本当に難しいと思いました。と言うのも、終わり方がほぼ予想出来ますものね。
ただ、その設定は置いておいて、何かのキッカケで人生の転機が訪れ、自分の気持ちに踏ん切りが付く、といったテーマの物語として読むと面白い話でした。
著者はもともとが構成作家をされていた方なので、物語の作り方が丁寧で非常にきっちりと計算されています。そして簡潔で分かりやすい言葉で書かれているので、気づけば最後まで読んでいました。で、最後まで読み終わって「あれ?これで終わり?」と一抹の物足りなさを覚えるという。
この本を読もうと思ったキッカケは「映画化決定!」という新聞の広告を見たからなんですが、この話は実写映画だと映える気がしました。現代が舞台で、特に派手なシーンも無く(これは良し悪し)、物語のテーマと役者さんの演技で面白くなりそうな気がします。
文章だと多少物足りなさを感じた部分も、映画だと上手く表現出来るんじゃないかと思いました。あ、でも、映像的に核心の部分をどう表現するかはちょっと気になるところ。あれがイマイチだと一気に安っぽくなりそう。それとヒロイン役の人選で雰囲気ががらりと変わりそう。