Marumaru's TinyPlaza
(2019.01.15)(book)どうしようもない恋の唄
『どうしようもない恋の唄』/草凪 優
何かの広告で「映画化決定!」と謳われていて、広告の内容で興味を持って図書館で借りてきたんですが……これ、割というかかなり官能小説寄りの作品かも。図書館で借りちゃったよ……。
会社経営に失敗して自殺をしようと思った主人公が、最後の晩餐にと知らない街をふらふらしていたところ、やけくそ気味で入ったソープランドの嬢の情に絆されてしまって、そのままヒモになっちゃう話。
このソープ嬢の女の子、ヒナが良いキャラなんです。ちょっと頭が弱くて、「私、馬鹿だから……」とか言って体で慰めてくるタイプ。非常に自分が好きな感じのキャラでした。
でも話はすごく面白かった。大人向けのエンタメってこういうのだよなー、と。最後の終わり方が綺麗に格好良く、しかもちょっと泣かしてくれて、読後感が非常に良い。
調べてみたら、映画化したのは去年夏で、もうDVDにもなってるらしいので、映画も是非見てみたい。小説を読んでいる時のイメージは完全に二次元……って言うかエロゲ的な絵が頭の中に浮かんじゃっていたんですが(何故かヒナが金髪で小柄の女の子だった。誰のイメージだろ)、実写でも面白そう。
追記。
ヒロインのヒナを金髪の少女のイメージで読んでいたんですが、多分誰かのイメージが残ってるんだろうと思って考えていたら、分かりました。EVE burst errorのプリンでした。コンシューマ版は声が水谷優子さんでおっとりキャラだし。んで、全体のハードボイルドな雰囲気もEVEを彷彿とさせて、自然とそんなイメージで読んでいたのかな、と。
追記2。
と言うか、この小説を読んだ時に感じたどこか懐かしい感じが、DOS時代のエロゲに近いんだなと思いました。具体的に言うと、ELFの蛭田昌人さんや、シーズの剣乃ゆきひろさん(敢えてこの名義で書きます)が書かれたハードボイルド系シナリオのゲームのような懐かしさ。
だらしなくてダメな主人公だけど、女の子には優しくて、何故かモテて、でもやるときはやる熱い男。そして、おバカだけどエッチで根は良くて芯が通っているヒロイン。それをとりまく個性的な男女キャラクターと、繰り広げられる情事。
そう考えると、この作品が自分の原体験に近い感じだったから、読み始めてすぐにしっくりとくる懐かしさと面白さを覚えたのかもしれません。