Marumaru's TinyPlaza

(2019.08.30)出雲市街について

昨日の日記で書き忘れた事があったので別エントリーにて。

一泊二日で島根に行ってきた訳ですが、黄泉比良坂がある松江市東出雲町に至る道のりで出雲市街を通ったんです。そこにあったのは目新しい全国チェーンの量販店や飲食店の店舗や看板に囲まれた、よくある典型的な地方都市の姿。そしてその中で原色のゆるキャラやマスコットキャラがここぞとばかりに目立っていました。

正直な話、その光景に全く魅力を感じなかったんです。

と言うのも、直前まで出雲の山奥で神話の舞台巡りをしていて、神社が自然の中に溶け込むように存在する景色、雨上がりの朝に雲が立ち込める幻想的な景色、古民家で雨の音を聞きながらゆったりと過ごす時間。そういったものを目にし、耳にし、体で体験し、出雲と言う場所の素晴らしさを全身で感じていました。

豊かな自然があって、人の営みが自然に溶け込んで調和している美しい景色、しかし、ひとたび自然が牙を剥けば訪れるであろう災いの怖さ、そんなものを目の当たりにしたからこそ、この場所に住む人たちは目の前の生きとし生けるものに八百万の神々を宿らせ、物語をつくって崇めそして畏怖していたんだと感じる事が出来ました。

そんな場所を見たからこそ、その後に訪れた出雲市街地の貧相な際立っていたように感じたんです。

うん、比較対象が悪いです。

しかし、同じ田舎に暮らす身として、地元の町に大手チェーン店やコンビニ等が入ってくると、差し当たっての普段の生活はとても助かります。観光客を呼び込んでお金を落としてもらうには、キャラクターや名物を開発して盛り上げる必要もあるでしょう。その大変さもよく分かります。

でもね、キャラクターを前に小洒落たカフェでインスタ映えするパフェを食べるような、そんな何処でも買えるような劣化都会なものじゃなくて、出雲の山奥で見て聞いて感じる「体験」が一番の価値だと思うんですよ。神代から現代へと続く壮大な神話(面倒なんでツッコミは受け付けません)の舞台が目の前にあって、そんな壮大な物語が生み出されるに足る環境である事を実感出来る。その環境の中で過ごせる時間こそがこの場所を訪れる価値なんだと思いました。

ただ、実際問題として地元で暮らす人の普段の暮らしもありますし、出雲の山奥を回るには車が必須でしょう。そもそも、山奥で過ごす時間というもの自体が好みが分かれるところでもあります。

が、本来ある昔からのものが一番魅力的なのに、どうしてわざわざ後から薄っぺらいものを作るんだろう、と。

その点、お世話になった残響さんのところは、古民家をリノベーションして民宿で周りの自然と調和した過ごしやすい空間と、山にいる野生動物を猟師さんと協力してジビエという形で味合わせて頂きました。本来あるものを今の生活に合わせた心地よい体験に昇華させるってすごい事だと改めて感じた限り。

とりあえず、出雲市街地は色々と勿体なかった。出雲大社近辺は好きなんですが。松江はお城や地元の偉人等、もとからある資産を活用して、それに合わせて街を観光都市に作り替えているような感じを受けて良かった。




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