Marumaru's TinyPlaza
(2020.07.14)(book)逆ソクラテス
『逆ソクラテス』/伊坂幸太郎
「敵は先入観」そんな煽り文句を新聞広告で見かけタイトルもなんか気になったので読んでみました。
学生時代のエピソードと現代が交差する構成の連続した短編集……なんだけど、何だろう上手く書けない。道徳の教科書のような本?
童話が話を通じて子供に世の中の理を伝えるように、因果応報や移り変わっていく価値観。世間の中で大切だと言われる評価や空気といったものがどうやって構築されていくのかを子供と大人の立場の違いを使って語っていくようなお話達。
ただ、この本が一番伝えたかった事は、今持っている価値観を一度疑って、そして自分が正しいと思ったのなら、その価値観を壊す勇気を持とう。その先に道は開ける。例えその挑戦が失敗に終わったとしても、今とは違うステージに進めているはずだ。というメッセージだと思いました。
それまでの外的要因によって構築された価値観と言うのはなかなか変わらないものです。そもそも、それが正しいかどうか疑う事さえしない。だけど、何かを変えたいと思ったのなら、価値観、この本の言葉だと先入観を疑う必要があります。
ただ、価値観と言うのは凝り固まってくるものです。だから、若い内は先入観に捕らわれずに色んなものを疑って、考えて、色んなものを吸収して欲しい。そして自分を作り上げて欲しい。
そんな事を感じた本でした。
この作者の本はこれが初めてだったので、他の人の感想が非常に気になった一冊でした。