Marumaru's TinyPlaza
(2026.06.16)(book)自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。 (4)完結
『自称悪役令嬢な婚約者の観察記録。』 (4)完結/しき
少し前から読んでいたシリーズを全部読みました。
同じタイトルが2レーベルで出版されていたので、後から出版されていた方を選んだのですが4巻で完結でした。前に出版されていた方は6巻ぐらいまであった気がしたんですが、今回読んだレーベルが児童文庫のようなので多少内容が簡略化されていたのかもしれません。
オタクのサガで後に出版されたのを選ぶ方がコンプリート版的な追加要素があるかも?とほぼ無条件で出版年が新しい方を選んでしまったんですが、もうちょっと調べるべきでした。まあ、そこまで肩肘を張って読む内容でもないのでコミック感覚でさくっとエッセンスを堪能出来たからOKという事で。
読み終えて感じたのですが、少し変わったこの設定は甘々な少女漫画的ラブラブストーリーを綺麗に展開する為のものだったんだと思いました。
あまり他人に興味の無い高性能ヤレヤレ系のセシルが婚約者のバーティアに惹かれる。乙女ゲームの前世の記憶を持つヒロインバーティアは、前世で全ての世界線を観測した故に、相対的に一番多くの人が幸せになるハッピーエンドを目指そうとする(その為には自分がゲームでのメインヒロインのヒローニアから所謂『ざまぁ』されて凋落する必要がある)。だが、バーティアの企みは悉く失敗に終わり逆に彼女の好感度を上げる結果になる。そしてバーティア自体もセシルを好いている。
という設定は転生やざまあの要素を除けば、往年の少女漫画スタイルの王道だったのかな、と。よくある、『ひょんな事からお嬢様学校に通う事になった天真爛漫ヒロインが、偶然出会ったクール系生徒会長に気に入られ良い仲になったけど、それをよく思わない(それこそ)悪役令嬢からいじめられる』の構図のヒロインと悪役令嬢を一人二役でやってるパターンと思えば、すごく腑に落ちました。
とは言え、王道パターンに色んな要素を入れつつも、お互いの味を活かしながらくどくならないように調理した作者の妙といったところでしょうか。
何より、全体的に明るいお話で非常に爽やかな読後感でした。登場人物がヒローニアを含め最終的には何らかの救いがあった点、当然誰も亡くならない、セシルの存在にちゃんと説明があった、そして現実世界での用語を異世界の人物はちゃんと知らないものとして扱っていた、という点がとても気持ち良かったです。
『シナリオ』の存在を乗り越え、全員が幸せになる世界線を見つけトゥルーエンドに到達する物語は良いものですね。
