Marumaru's TinyPlaza

(poem)109_秋

「秋」

移ろいゆく季節は心地が良い
窓を開けて横になっていると
涼しい風が流れ込んでくる

一番暑い訳でもなくて
一番寒い訳でもない
夏から冬へと移ろいゆく季節

涼風に身を任せ
緩やかに冬へと運ばれる感覚
それはとても心地が良い

身震いする程の寒さに
はっと振り返ると
もう冬の扉をくぐった後

扉をくぐったその先は
確かな冬しかない世界
暖かい冬しかはあっても
涼しい夏にはもう戻れない


流れに身を任せて
緩やかに流されている感覚
それはとても心地が良い

答えを出さないと言う答え
ゆるやかに流れていく砂の粒

何処にあるのか分からない扉
何枚くぐるのか分からない扉

気付いた時にはもう
扉の向こうの世界

だけど砂は流れ続ける

とても緩やかな流れ
決して変えられない流れ
心地の良い流れ


移ろいゆく季節は心地が良い
こんな物思いに耽るぐらいには
心地が良い

そして気付くんだ
もう冬なんだと