Marumaru's TinyPlaza

(2010.12.22)(book)キング&クイーン

『キング&クイーン』/柳 広司


SPとチェスが組み合わさったテーマに興味を持って読んでみたのですが、正直微妙でした。

と言うのも、元SPの安奈が何か行動するたびに入る「○○はSPとしては必須技能だった。」と言うようなSPの蘊蓄と、元チェスの世界王者アンディのチェスの凄さを語る「僅か○歳で~~したのだった。」と言う表現がページの殆どを占めていて、話の起承転結だけみるとボリュームと起伏が不足していたように思えました。

どちらも、未来や今の事ではなく過去の事を振り返っての回想的な事なので、あまり頻出すると「だから?」と思ってしまいました。

後、チェスが物語のテーマとして使われていたものの、チェスの内容に関する表現は抽象的なものが多く、もっとチェスの内容に踏み込んだ話の展開を期待していただけに少し残念。

最後の伏線の回収と言うか話の収束のさせ方は綺麗で、文体も読みやすかったので読後感は悪くない一冊でした。




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