Marumaru's TinyPlaza

(2012.04.26)(game)CODE OF PRINCESS

『CODE OF PRINCESS』


3DSで発売された昔懐かしのベルトスクロールアクション。セガサターンで好きだった「ガーディアンヒーローズ」のスタッフが作った事と、西村キヌさんがキャラクターデザインをされているので発売前から期待していました。


思い出補正で塗り固められたガーディアンヒーローズの幻想があるのか、面白い要素が沢山あるのにどうしても今一歩と言うか残念な部分が目に付いてしまう残念なゲームでした。

ガーディアンヒーローズを知らずに、DLソフトとして2000円ぐらいで買っていたらきっと感想は全く別のものになっていたと思います。6,090円という定価について考えてしまいました。


良かったところ。

とにかくアクションがヌルヌルと動きます。3ラインを使ったベルトスクロールアクションの新作なんて本当に久々じゃないでしょうか。主人公を4人から選び、クエストと会話パートで構成されるストーリーを進めたり、追加クエストを進めたりします。そしてレベルや装備による育成要素もあり。ちまちまとキャラクターを強くしながら楽しめます。

そして、インターネットによる対戦や専用クエストを使った協力プレイもあり。もちろん3DSを持ち寄ってのローカル協力/対戦プレイもあり。

しかも、キャラクターはストーリー付きの味方4キャラ、敵方4人の計8人のメインキャラに加えて道中に出てくる敵やボス、村人まで含めて50人以上も使え、(特定条件を満たすことで)それらのキャラクターを使ってストーリーやクエストを進める事が出来ます。当然、育成やネットにも対応。

それと、3Dの使い方は本当に上手いです。奥行きを出すことに特化した3D立体視で背景も含めて本当に奥行きが広く出ているのに目があまり疲れないんです。箱庭の中で動くキャラクターを見ているような本当にそんな感じ。この奥行きは一度実物を見て欲しい。

こうやって要素を書いていくと本当に楽しそうなゲームに見えるんです。実際、公開されていたPVは本当に楽しそうだった。


不満だったところ。

ストーリーモードが味方の4キャラ分用意されているんですが、視点が変わっただけで4人ともほぼ一緒のストーリーなんです。なので、最初の1キャラ目はストーリーを楽しめるんですが2キャラ目で既に作業感が漂うようになってしまった事。ストーリーモードがフルボイスなせいもあるかもしれませんが、これだったらボイス無しでも良いので4人分(出来ればメインキャラの8キャラ分)はストーリーを作って欲しかった。

ちなみに、このコードオブプリンセスのストーリーはキャラクターデザインの西村キヌさんの妄想から出来たストーリーらしく、王道で面白いストーリーでした。ちょっと短かったけどね。

次に対戦機能について。オフライン/オンライン問わず対戦をする時に自分がローカルで育てたデータが使用出来ないんです。対戦時はレベルを10~50の5きざみで指定するんですが、ステータスがレベルに応じて自動で振られてしまうんです。そして装備は無し。これが本当に痛い。だって、1人用でプレイしている時にスピードや攻撃力にステータスを極振りして育成したキャラとか居たら、それを対戦で使いたいじゃないですか。せっかく育てたキャラを対戦で使えないのは本当に辛いです。

そして、特定の装備を使った攻撃が極端に強すぎる事。具体的に言うと、1週目のストーリー中に集めた装備を色々組み合わせて使えば、レベル1のキャラクターでもラスボスのクエストが一瞬でクリア出来てしまいます。それこそ10秒かかるかどうかってレベルでの本当に一瞬。

別に装備の組み合わせ自体で強力な攻撃を放てるのは攻略要素として良いとは思うんですが、その強力攻撃でクエストをクリアするとレベルが簡単にカンスト出来てしまうので、地道に戦って色んなクエストをクリアしようという意欲が殺がれてしまう意味では、ゲームの底を浅くしている気がします。

何より、その強力な攻撃を放つ為には特定の装備を組み合わせないといけないので、その装備が出来ないキャラクターその差が開きすぎてしまう事の方が問題。ローカルの育成だけならともかく、ネット対戦においては特に。

それとキャラクターを脇役や敵方を含めて登場キャラ全員を使えるのは良いんですが、メインキャラ以外のキャラがの技や行動が少なすぎ。例えば村人とかだと攻撃方法が1種類(+システム的に用意されているロックオン等)しかなくて、ジャンプも出来ないダッシュも出来ない、そして防御も出来ない。

色んなキャラクターがごちゃまぜになって戦うというコンセプトは面白いし、大きなドラゴンやメインキャラクターに混じって雑魚的や村人が戦ってる、って言うのはすごい楽しいんですが、ここまで行動を制限されると純粋に動かしていて面白く無いんです。せめて弱いけれど頑張れば何とかなる、ってレベルにして欲しかった。加えて前述の通り、そういったキャラをステータス極振りで育成していても対戦に反映されないしね。

総じて中途半端と言うか作りこみが甘い気がしました。ベルトスクロールアクションとコンボが繋がる格闘ゲーム、そしてゴチャキャラアクションを一緒にするって言うのは本当にワクワクして楽しそうなんです。だけれども、プレイヤーはアクション部分においてはファイナルファイトの出来を期待して、ゴチャキャラバトルの部分ではスマッシュブラザーズを期待して、コンボ格闘の部分ではギルティギアみたいなものを期待してしまうものなので、そのどれもが中途半端な感じがしてしまいました。

攻撃力が、ロックオン時に2倍とバースト時に2倍、合わせると4倍。ガードはボタン一つで全方位を完全にガード出来てデメリットが皆無、という仕様もバランス調整を煮詰められていない裏返しのように感じました。


最後に

ボロボロに書いてしまいましたが、このゲーム自体は好きです。動かしていて楽しいゲームであることは事実なんです。けれど、その期待が大きかった分どうしても残念な点が目についてしまうんです。実際のところ、ネットを使って協力プレイが出来るアクションゲームという時点でかなりめずらしいですよね。

最後に、ヒロインであるソランジュ姫の露出っぷり、アクションの動きっぷり、そして大谷育江さんのゾゾ子の演技が本当に素晴らしかった。個人的にはそれだけでも買った価値がありました。

ソランジュ姫はあの露出なのに無駄にエロくなってないのが西村キヌさんの素晴らしさだと思います。クイーンズブレードも同じような露出ですけれど、あちらはエロいと言うか下品に思えてしまうの。なんなんでしょうね、この違いは。




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