Marumaru's TinyPlaza

(2013.10.04)(movie)あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

『劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』


※映画の内容に触れていますので、ネタバレが気になる方は気をつけて下さい。



今までに無い面白い作りの総集編でした。

内容は総集編+αですが、新規追加部分に「めんまへの手紙」と言うサブタイトルをつけ、本編のラストから1年後、再び超平和バスターズの面々がめんまに宛てた手紙を手に秘密基地に集合して、めんまに届ける為にお焚き上げをするという内容でまとめています。

本編のラストでめんまから手紙を受け取った登場人物が、今度はめんまに向けて手紙を返すって内容が良いですね。そして、本編部分を総集編として編集して、それぞれの登場人物ごとにまとめて心情の流れを描いています。めんまから受け取った想い、そして一年の月日を経た後でめんまに対して届けたい想い……。

多分、新規カットの部分はそれほど多くは無いと思ったんですが(それでも数十分はあるかも)新規カットと本編カットが絶妙に交じり合って、本編ストーリーを微妙に忘れているのも相まって新作のストーリーを一本観ているような感じでした。この構成は新鮮でした。こんな総集編なら大歓迎だ!!

ですが、本編カットは、本編のストーリーを分かりやすくまとめる為に編集されているのではなく、本編のストーリーを前提に登場人物の新しい一年を描くために編集されているので、TV版の本編を見ていないと訳が分からないかもしれません。

この映画を観る時点で本編未視聴と言う可能性は考慮しなくてもいいのかも知れないけれど、少し前に観たまどかの劇場版が「この映画を観ればまどかが全て分かる」と言わんばかりの見事な総集編だったので、作り方の方向性が違うのが興味深かったです。

しかし、テーマがテーマだけに内容が分かってても泣いてしまいました。完全に泣かせに来てるもの……secret baseをバックに流すのはずるいわ。でもまあ、年を重ねると涙腺が弱くなるなぁ……と思いつつも、感情にまかせて涙を流す事は割と気持ちの良いものかもしれない、と割り切って考えてみることにしました。

新規追加の部分ですが、あなること安城鳴子に焦点が当たる部分が多かった気がしました。キャラクターデザインも比較的大きく変わっているし。あなる好きの私としては(って書くと誤解されそうですが)非常に嬉しい展開なんですが、もう一人のサブヒロインである鶴子ももう少し掘り下げて欲しかったです。あなるの活躍ぶりと比べると鶴子が妙にこじんまりとまとまっていたのが、かえって気になりました。

そう言えば、来場特典でもらったカードも鳴子でした。こんなの。

それにしても、「子供時代の仲良しグループの一人が亡くなり、10年後に主人公にしか見えない幽霊として蘇った。」と言うそれだけの要素を使って、超平和バスターズの面々の心情をTV11話と劇場2時間に渡って描ききったのはすごい。ストーリーじゃなくて、感情描写の連続で物語を作るって言うのは、ある意味ですんごい贅沢なのかもしれない。その分、好き嫌いがはっきりと分かれる作品ではあると思いますが。




<(2013.09.30)雨にまつわるエトセトラ (2013.10.07)集中装備を作った>