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(2014.09.15)(book)シャーリー2巻

『シャーリー』2巻/森薫


いつだったか、岡田斗司夫さんがアニメの見方について解説されていた事がありました。確かこんな内容だった気がします。「アニメはドラマと違って偶然に画面に映り込むことが無い。全てのものは意識的に描かれているものであって、画面の中全てのものに意味がある。」

シャーリーの2巻を読んでその言葉を思い出しました。1コマ1コマから「これを描きたい、伝えたい」っていう明確な意思を感じる珍しい漫画。

内容は20世紀の英国で13歳のメイドが女主人に仕える話。同じ舞台で同じくメイドをテーマに描かれた「エマ」よりも更に作者の趣味が反映された1話完結の短編集。「エマ」はこのシーンが大切(作者的に)なんだな、と実感出来るんですが、シャーリーは「これが描きたいからこの話を作られたんだな」と実感出来ます。

メイドは縁の下の力持ちであり、メイドだけを主役にした物語は成立しない。と言うのが私の持論ですが、森さんの話はメイドがメイドとして活躍できる世界をちゃんと描いているんです。その中でメイドとして働く登場人物に愛をもってスポットを当てている。

生涯自分の蔵書に在り続ける本です。本当に好きなものって必要以上に好きアピールをしたくなくなるものですね。私の陳腐な語彙を重ねる事で気持ちが言葉の枠に収まってしまう事が嫌だし、意味を感じないのかもしれません。




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