Marumaru's TinyPlaza

(2016.05.31)(book)その可能性はすでに考えた

『その可能性はすでに考えた』/井上真偽


『恋と禁忌の述語論理』で興味を持った井上真偽さんの本。

与えられた状況から結論を導き出す、というか新しい物語を作っていく一風変わった安楽椅子探偵モノ。

推理が状況を飛び越えて、論理学的(?)な証明方法自体の話になる辺り、作者らしいというか、状況と相まって非常に盛り上がっていました。

恋と禁忌の述語論理でも途中から垣間見えた厨二的な世界観ですが、今作では更に強まっています。論理を展開しての応酬には合ってると思いつつも、ちょっと癖が強くなっています。

現実的かどうかではなく論理的に筋が通ってるかどうかで展開される推理は、スケールが大きく劇的。

そして相変わらずのオチの良さ。

石持浅海に論理学と厨二の要素を加えたと言えば、知っている人には分かりやすいかもしれません。




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