Marumaru's TinyPlaza

(2019.04.18)(book)椅子さえあればどこでも酒場

『椅子さあえあればどこでも酒場 チェアリング入門』


知人から紹介して貰った一冊。

チェアリングという言葉を知らなかった自分ですが、野外に椅子を持ち出して一杯酒をやろうぜ!というスタイルを紹介した本です。色んなジャンルの人達との対談集のような感じで、会話をしながらお互いのチェアリング感、お勧めのグッズ、お酒、肴を紹介していく本でした。最初、この本を紹介してくれた人がどこでこの本と巡り合ったか少し不思議だったんですが、対談者の中に人間椅子の人が居たので、とても納得。

今は外で酒を飲むという行為に対して、周囲の目がとても厳しいですよね。外でまでお酒を飲むのは完全に呑兵衛が家まで我慢出来なくて/お店で飲み足りなくて外でまで飲んでいると思われると言うか。

ですが、本書の中で色んな方が語られているように、季節ごとの風や空気のにおいを感じながら、外で椅子に座って一杯やりながら、気のおけない仲間と会話に花を咲かせるのはとても楽しい事だと思います。地べたに座り込むのではなく、椅子に腰をかけてラフながらも最低限の礼節をもって、場所も選んで節度を持ってお酒を楽しむ。

何となくデイキャンプでコーヒーを淹れたり、登山をして山頂で食べるラーメンに近いものを感じました。少しばかりの非日常感の中で楽しむ一杯は極上のものだと思います。特にお酒ということで他の人との会話も弾むし。

で、この本を読んで一番思った事は、現代の比較的都会に住んでる人が書いてるから「チェアリング」という言葉を使って野外での一杯を語られていますが、田舎ぐらしで家に庭があるのが当然のような環境だと、暑すぎたり寒すぎたりしてない時は普通に庭で一杯やってるよなぁ。

そして、その中でも、家の縁側という家の中と外の境界線上にある場所で、外の風を感じながらご近所さんや友達と一杯やる、と言う今では半分ファンタジーになりつつあるこの光景こそが、まさにこの本のチェアリングが語りたかったものなのかもしれない。と。

そんな事を考えながら、気候が良い時に外で飲みたいな、と感じさせてくれる一冊でした。

余談ですが、今よりもう少し若い時に、友達と飲みに行って、お店が看板になった後にまだ飲み足りたい時、帰りに自販機でビールを買って河原や公園で飲んだりしていた事がありましたが、これはチェアリングだったのか!(それこそただの呑兵衛です。)




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