Marumaru's TinyPlaza
(2020.03.05)(movie)劇場版『SHIROBAKO』
劇場版『SHIROBAKO』
作品に込めたメッセージ、しっかり受け取ったよ!
もう本当にそれが全て。ってことで、劇場版『SHIROBAKO』を観てきました。劇場のあるイオンはコロナの影響で縮小営業。平日午前中という事もあり、観客は10人ちょっとぐらいでした。
年を重ねると涙腺が弱くなるんですが、もう後半からずっと泣いてました。拭うのも面倒なぐらいにボロボロと。上映が終わって帰る時、同じく泣いている人が何人も居ました。うん、泣いちゃうよね。この状況で観に来る人だから多分TV版も見ているだろうし、だったら余計に目頭が熱くなるよね。
例によって感じたことを箇条書き。変に文章を作ろうとするとエッセンスが抜けて余計な修辞句ばかり書いてしまう。
- 過去のメンバー集合の同窓会っていう熱い展開なんだけど、ちゃんと時間が流れていて、世代交代も出来ているのがグッっと来た。登場はするものの、一線を退いた人はメインでは関わらない。心の支えにはなるけれど、実際にやるのは次の世代。TV版ではレジェンドが実務レベルの結構大事なところにガツンと関わっていたものね。
- 新キャラの宮井の扱いが上手い。社会人だから仕事の結果で信用すべきって言うのはその通りで、飲みニケーションを必要以上に礼賛する気もない。だけれども、これから一緒にやっていこうという同僚に対して不確定な未来の信用と成り得るのは同じ目標、もしくは同じ敵に対して向かっていく情熱で、その事を腹を割って話した時間が作る関係なんだと思う。
- 上のシーンで、宮森が宮井と(描かれている限り)3件目まで行って、その後部屋で飲んだ?後によく普通に出社してるなーって思ったら、飲み始めがお昼ご飯代わりの焼肉スタートだっけ。それなら納得。……これが若さか。
- 宮森と宮井さんが会社に乗り込んでいくTV版のセルフカバーシーン。二人で着物を着るのは、フィクションならではの演出や勝負衣装ってのもあるだろうけど、大人のケンカをする為に理論武装した、っていう風に私は受け取りました。忍びとの戦闘シーンは笑っちゃったけど、実際の心中の描写として考えると泣けてくる。
- 主人公5人が何だかんだでアニメ業界にみんな残っていて、それぞれは思うところはあるけれど、立場と言うか立ち位置は変わってるんだよね。自分の事で手一杯じゃなくて、何かを管理する立場になっている。昔教えてくれた人はもう同じ職場に居なかったりするけれど、今度は自分が下の人に伝える立場になって。そんな中で目標を持って日々足掻いていくしかない、俺達の戦いは(以下略
- 瀬川さんが遠藤さんを説得するシーン、好きだなぁ。瀬川さんは正論で追い詰めるみたいな事を言ってたけど、正論は相手をちゃんと見ていないと言えないし、昔の癖をちゃんと覚えてるってのは、昔の関係を想像させてくれてニヤニヤしてしまう。
- 瀬川さん、着ている服のせいかもしれないけれど、その……何て言うか、胸部が少し大人しくなってた?
- 最後の劇場作品のラストシーンを追加するところ、修羅場と化してるであろう作業シーンを全く映さずに成果物だけ見せてるのが本当に最高。TV版を含めてここまで見ている人は、そのシーンを作る為に働いているみんなの姿が鮮明に頭の中に浮かんでいるはずで、その想像は多分どんな映像でも超える事が出来ない最高のものだから。
- 個人的には遠藤さんと瀬川さんの過去に興味があるけれど、お互いに嫌いじゃないけど何となくウマが合わないってのは分かる。遠藤さんの今の彼女、ほんとに良い子だし、そんな立ち振る舞いは瀬川さんに無いものだものね。どっちが良い悪いじゃなくて、遠藤さんは今の彼女みたいな人と付き合ってる方が良いのかなって納得させられるシーン構成だった。
- ただ、私は瀬川さんが大好き。
- だからこそ、追加シーンが思った以上に長くて、そして最高に格好いい動きをしてる時に、思わず「やめてー!〇〇さんが過労死しちゃうー!」って本心から思った。SIVAを作っているのはムサニのメンバーだって自然に思っていて、少なくても映画を観ている時はムサニのメンバーは実在していた。
- そして、追加されたシーンが本当に素晴らしい。最初の終わり方だと、作中キャラと同じく「あ、うん。よくあるこういう終わりか。」って感じだったけど、追加シーン差し替え後は確かにバッドエンドかもしれないけれど、意思を未来へ繋げていくっていう希望に満ちた終わりになってて驚いた。そして本当に本当に熱かった。ラストサムライの最後を思い出した。
- 作中で言ってたストーリーのカタルシスを、それを作るアニメのストーリーでやってくれるなんて。
- TV版では平岡と高梨のバディ結成の場だった日高屋が、もっと大勢の交流の場になってるって描写がもう。
- 全体的に4年の月日が流れたんだなって感じさせる描写が多くて、観てる人も自分の4年を振り返るよね。
- 矢野さんがママっていう情報だけTwitterで流れてきてたんだけど、本当に納得。
- 平岡も丸くなって、久乃木ちゃんもコミュニケーション能力上がってて(まさかの同居には驚いたけど)、画面に映っていない間も登場人物達は生きていたんだなって自然に思えるぐらい人間味あるキャラ達。
- 最後、りーちゃんが、しめじ先生から「商売敵だ」って言われるシーン。言葉にならないよね。TV版の杉江さんもそうだったけど、自分の力で食ってる職人的な仕事だからこそ、驕らずに相手の実力をちゃんと評価して、同じプロとして尊敬してるんだよね。
- ずかちゃんの声の力が本当にすごい。そりゃ、SIVAの役から何からずかちゃんに合わせて作ってるのは分かるけど、みんなの思いをずかちゃんの声の力が束ねてるような。TV版もそうだったけど、伝えたいメッセージや作品自体のテーマをセリフとして、作中キャラにアフレコさせるのはダメだよ、おじさん泣いちゃう。
(2020.03.31)(game)Shizuku
『Shizuku』
このゲーム、6年ぐらい前にネット記事で見かけて興味を持って買ったパズルゲームなんですが、先日遂にクリアしました。
タイトルの通り、水滴のようなものを動かして画面内の玉を全部回収する面クリア型パズルです。ただ、水滴は動き出したら止まらない、RPGの氷のダンジョンとかでよく見るギミックと言えば通りがいいでしょうか?
このゲーム、プレイ中にずっと雨音が鳴り響いていて、それがとても気持ち良くて、寝付けない夜に環境ソフト代わりにちょこちょこと進めていました。何ステージが進めると、解法が分からなくて詰まるステージがあるんですが、ある程度やってダメだったら放っておいて、数か月後か、半年後か、また気が向いた時にプレイしたら驚くぐらいあっさりとクリア出来るんです。
そんな事を繰り返しながら、特に焦ってクリアするつもりもなく、何となくちょこちょこと進めていました。次の日が朝早い用事があって比較的早く寝床についたはいいものの、寝付けなかった時にやってる事が多かったイメージ。だけど、足掛け6年ちょこちょこと進めていたのかぁ、と何だか感慨深いです。
このパズル、ステージの構成が、一方通行というか不可逆な要素が割と多くて、最初にどうやるかじゃなくて、最後に取るであろうボールから逆算してルートを考えると解法が見えてくる事が多くて楽しかったです。
パズル自体よりも、絶え間なく響く雨音が本当に心地良かったので、興味を持たれた方は是非。300円ぐらいです。続編も出ているみたい。