Marumaru's TinyPlaza

(2020.07.03)スマートウォッチを買った

突然ですが、スマートウォッチ(Yamay SW353)を買いました。3,000円を切るようなお手頃モデル。

結論から言うと、着信・SNS新着を手元で確認出来るだけで値段以上の価値はありました。


暫く前から自分の周りでスマートウォッチを身に着ける人が増えだし、手元で着信確認やキャッシュレス決済をしているのを横目で見つつ、最近は進んでるなーと思いながらも、AppleWatchの値段を見て普通に腕時計でいいやと流していました。(スマートウォッチ≒AppleWatchという認識でした。)

なのですが、先日ランニングが趣味の親戚が手元のスマートウォッチ(スマートバンド?)を見せてくれたんです。とっても便利だよ、と。それがこの機種。実際に見て興味を持ったので、この値段だったらという事でとりあえずポチってみた次第。


数日間使ってみて思った事を、良し悪し織り交ぜて書き並べます。

まず、この機種に惹かれたのは値段の安さもありますが、何よりもその充電方式です。ベルトを引っ張って外すと現れるUSB端子でそのまま充電が出来ます。これが本当に魅力。ただでさえ充電コードが散乱している現状で、たかが時計1個の為に充電コードを増やして持ち運ぶのが本当に嫌だったんです。この機種だと職場のPC、部屋のPC、車の中と場所を選ばずに充電できます。コードを持ち運ぶ必要も無いし。これは本当に魅力。

そして、本来の目的だった着信・SNS新着の確認機能。これは本当に便利でした。例えば会議の場などでスマフォをマナーモードにして鞄に入れていた時、マナーモードにしたまま移動をしてしまい着信に気づかなかった、みたいなよくある事態を回避出来ます。(少しはぐらかせて書いています。詳細なシチュエーションは想像してみて下さい。)

あと、車の運転中の着信に気づけるのが大きいですね。結局、携帯の着信やSNS新着って極一部以外はすぐに対応する必要はないんですよね。ただ、他のノイズ達の中に紛れているごく僅かな「大事な用事」を見逃さない為に、常にスマフォを開いて着信をチェックするというストレスから解放されるのは大きいです。

ちなみにもうちょっと良い機種だと、着信・SNS新着チェックをする際の履歴が多かったり、ディスプレイの表示領域が大きかったりするらしく、スマートウォッチを使い始めるとその部分が気になり始めました。が、そこは本気でチェックする時は素直にスマフォを開くっていう割り切りにしました。情報量が少ないとは言え、着信・SNS新着を伝えてくれる機能があるという事実はすごく大きいです。1と10の違いは大きいけれど、0と1の隔たりの前では些末な問題です。何より安いし。

ただ、時計機能に関してはちょっと不満もあります。まずバンド形式を選んだので時計がデジタル表示です。私は腕時計もアナログ表示が好みでずっとアナログを使っていたんですが、それは時間の長さを「針の角度」という見た目で認識しやすいから。数字だけだと目的時間まであとどれくらいかと言うのが直感的に分かり難かったりします。今回、デジタル表示に戻して改めてそれを感じました。

次に、これも不満点なんですが、ディスプレイの時計表示は普段は消えていて、ディスプレイを覗き込むような角度に手首を曲げる事で自動点滅します。この角度の認識が結構シビアで、手首を手前に回す動きだけでは認識しないこともあり、突き出すような動きをする必要があります。なので、腕時計最大の利点である、相手が居る場でのさりげない時刻確認が活かれされていません。

その為、純粋に腕時計の代わりとして使うには、少し物足りない部分がありました。

このスマートウォッチですが、安価なモデルと言う事もあって機能と言うか設計思想がかなり割り切った作りになっているのが好感を持てました。ディスプレイ部分についているのはタッチセンサー1つで、出来る動作は押下と長押しだけ。殆どページ切り替え機能ぐらいしかありません。つまり、このスマートウォッチは入力端末ではなく、出力の為のディスプレイなんです。

実際、設定等は全てスマフォにインストールしたアプリから行います。時計表示の色変えや通知機能の切り替え、言語設定、センサーのon/offまで全てアプリで行い、時計部分はスマフォの通知を飛ばして表示するだけ。この、本体は別のところにあって、離れたところで表示だけ行うって仕様に何とも言えないSF味を感じました。

これ、日本製だと多分入力機能を付けた端末になってる気がするんですよね。マイクやスピーカー機能を付けたりディスプレイを全面タッチパネルにして入力機能を持たしたりして。そして値段が高くなるパターン。細かいガジェットにギミックが詰め込まれているのも大好きなんですが。無線で飛ばした情報を表示する機能に限定した割り切った省コストモデルってのも、それはそれで魅力的に思いました。

ちなみに、ベルト内側のセンサーで心拍や睡眠状態のチェック、GPSと併せてウォーキングやランニングのカロリー表示等も出来、目標値に対する達成度合いとかも管理出来るみたいなんですが、この辺りの機能は使っていないので分かりません。

この辺りのセンサーはあてにならないと聞いていたのと、何と言うか自分の感覚として、時刻の確認やスマフォの着信チェックはしたいけれど、腕に巻いたバンドごときに運動や睡眠の管理をされたくない!というひねくれた気持ちがあるので。(もうちょっと高性能なモデルを買えば、健康状態のアラートとして実用的なのかもしれませんが)

余談ですが、ディスプレイ付のバンドを腕にしていると、デスゲームの参加者気分を味わえますね!指で触ると数字が表示されるところとかもそれっぽい!(時刻が表示されているだけですが)


ざっと所感を書き殴ってみましたが、こういう文書を書きたい気分になるぐらいにはワクワクさせてくれたオモチャと言う事で。



(2020.07.14)(book)逆ソクラテス

『逆ソクラテス』/伊坂幸太郎


「敵は先入観」そんな煽り文句を新聞広告で見かけタイトルもなんか気になったので読んでみました。

学生時代のエピソードと現代が交差する構成の連続した短編集……なんだけど、何だろう上手く書けない。道徳の教科書のような本?

童話が話を通じて子供に世の中の理を伝えるように、因果応報や移り変わっていく価値観。世間の中で大切だと言われる評価や空気といったものがどうやって構築されていくのかを子供と大人の立場の違いを使って語っていくようなお話達。

ただ、この本が一番伝えたかった事は、今持っている価値観を一度疑って、そして自分が正しいと思ったのなら、その価値観を壊す勇気を持とう。その先に道は開ける。例えその挑戦が失敗に終わったとしても、今とは違うステージに進めているはずだ。というメッセージだと思いました。

それまでの外的要因によって構築された価値観と言うのはなかなか変わらないものです。そもそも、それが正しいかどうか疑う事さえしない。だけど、何かを変えたいと思ったのなら、価値観、この本の言葉だと先入観を疑う必要があります。

ただ、価値観と言うのは凝り固まってくるものです。だから、若い内は先入観に捕らわれずに色んなものを疑って、考えて、色んなものを吸収して欲しい。そして自分を作り上げて欲しい。

そんな事を感じた本でした。

この作者の本はこれが初めてだったので、他の人の感想が非常に気になった一冊でした。



(2020.07.29)(book)りゅうおうのおしごと!

『りゅうおうのおしごと!』(12巻まで)/白鳥士郎


名前だけ知っていたんですが、夜にたまたまニコニコでアニメ版の一挙放送がやっていて途中から観たところ、面白くて原作を読みたくなった作品。

「あり得ない設定だけどフィクションだからOK、と思っていたら現実がフィクションを超えた!」と藤井聡太棋聖絡みで作者のツイートがしばしば拡散されているイメージでした。

で、読んだ感想なんですが、とにかく熱い作品でした。主人公の八一を始めとする、作中の言葉を借りるなら「将棋星人」達の異次元な戦いの描写も当然面白いんですが、それよりも、「普通の人」達の戦いが本当に熱いんです。

上には異次元の将棋を指す天才がひしめいている、下からは次代を担う若き天才たちが押し寄せてくる。年齢よりも過去の経歴よりも今の強さ、将棋の結果だけがモノを言う勝負の世界で、時に同じ釜の飯を食った友を、共に鎬を削ったライバルを、育ててくれた人を斬り捨ててでも勝たないといけない。天才ではない普通の人が、それでも将棋が好きだから。将棋を通じて何かを伝えたいから、という想いを抱いて、全てを投げうって泥臭くただただひたすらに戦う姿は本当にこみ上げてくるものがありました。

一部現実の棋士をモチーフにしているところもあると思いますが、フィクションならではの個性的な棋士達が要る中で、結局は勝負で勝たないと何も始まらない、言葉に説得力が持てない世界の中で、将棋を盤上の戦いを通じて語り合い、ぶつかり合い、恋をする。そんな人生の全てを将棋にかけた人達の勝負の世界、その光と影を描いた話でした。

それにしても、なんとなくで知っていた将棋の奨励会。4段昇格がプロ棋士になれるその会の3段リーグを勝ち抜く事の厳しさについてかなりの頁を割いて書かれていた気がします。後で調べて分かった事ですが、ニュースでよく名前は見かける実在の女流棋士である里見香奈4冠(倉敷藤花 のイメージが強い)も、女流の世界では4冠を獲るぐらいに勝ちまくって敵無しでも、奨励会の3級に在籍した5年の間での4級昇格能わず、年齢制限で奨励会を退会されているんですね。

その辺りの奨励会の厳しさや女流棋士システムの意味や良し悪しについても物語の中で書かれていて、今まで何となくは知っていたんですが興味深かったです。結局は勝たないと始まらない勝負の世界と言うのと、業界として将棋人口を増やして盛り上げないといけない事、その為にプロを始めとして関わる人みんなで間口を広げて行こうという色々な部分の兼ね合いがある難しい問題なんですね。

しかし、全体的にロリコンネタとネットスラングのネタがちょっと強い印象を受けました。私は分かるから良いんですけど、知らなくても読み飛ばせる部分なのかな?と思ったりもしたんですが、もともと何でもありのライトノベルだからあまりどういう言うのも野暮なんでしょうね。私も昔、あかほりさとるとかのゆるいファンタジー小説を読みながら楽しんでいたので、時代は巡るって事なんでしょう。

12巻まで読みましたが、当初は5巻完結だったようで5巻までは主人公の内弟子、まいを中心としたお話。12巻までは姉弟子である銀子の奨励会を中心とした話。そして今度出る13巻ではその二人との三角関係に発展しそうでそちらも楽しみです。余談ですが、ヒロインが二人出て翼に例えられると、どうしてもマクロスFを思い出してしまいます……。

最後にちょっと内容に関する事ですが、11巻の封じ手は割と効きました、自分に。それとキャラクターでは普通の人代表の桂香さんの心の強さが好き。彼女に酷い事を言って凹んでいる鏡洲に言った「将棋と比べてもらえるなんて彼女は幸せ」という旨のセリフが彼女の強さと優しさを象徴しているな、と。




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