Marumaru's TinyPlaza
(2021.09.12)(movie)バック・トゥ・ザ・フューチャー
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
BTTFです。今まで観ていなかったんですが、PrimeVideoに入ったら観ようとか思いつつも、いつまで経っても入らないのでAmazonでレンタルして観ました。本当に便利になりました。DVDをレンタルしにお店に行くことが本当に少なくなってしまった。
と言うか、あの有名なテーマってBTTFのものだったんですね。色んな所で聞くから何か有名な作品のテーマだとは思っていたんですが。いやー、無知って怖い。
で、感想。1985年の作品なので、以後の数多くの作品に影響を与えている部分が数多くあって、へぇーと思いつつも、それを言い出したらよく分からない事になるので省略。
構成がすごく綺麗。と言うか単純なんですよね。過去に行って戻ってくる!っていう単純明快な話。「マッドマックス 怒りのデス・ロード」の目的地に行って戻ってくるぜ!に通じるものがある。
ただ、そんな誰が見ても分かるストーリー概要なんですが、伏線の張り方がすごく綺麗。時計台の件が本当に上手いなーって。そして過去で、現代に戻る為の手段を探しながら、過去干渉してしまって自分の存在が消える危険が生じたからそれを防ぐ為に頑張るっていう、完璧な構成。娯楽作品はこうでなくっちゃ。
現代へ帰る直前のドタバタは結末が分かっていてもドキドキワクワク心が躍りました。これ、子供の頃に映画館で見てたら一生モノの原体験になりそう。娯楽作品はこうでなくっちゃ。(2回目)
父親、母親、いじめっ子のキャラクター付けも明確で面白くて、最後のオチまで含めて笑わせて貰いました。なんかね、普段は冴えない人でも、男は一生で一度だけ、勇気を振り絞って男を見せる時があれば、人生を変えられる可能性があるっていう教訓が入ってますね。
ああ、そうそう。デロリアンの燃料が核燃料だったのが一番次代を感じました。ガンダムと言いドラえもんと言いアトムと言い、当時は核燃料って夢の燃料だったんでしょうね。未来を切り開いて、今まで出来なかった事を可能にする希望にあふれた未来の燃料。
そして、いい年したオッサンが見ても感じるデロリアンの格好良さ。ガルウイングは浪漫。この辺りは逆にオッサン……と言うか、自分の世代が刷り込まれている格好良さのイメージかもしれません。松本零士イズムのタコメータも格好良いんですが、ゴテゴテしたパーツに液晶数字満載のインターフェイスは、心の深いところに刻まれたロマンです。うん、やっぱり自分世代の格好良さを形成した作品の一つなんですね。
ドクの、何かをする前に実験をする性格。失敗して爆発を起こすけれど、近くに消火装置を置いておいて冷静に対処するところ。人間的な性格は置いておいて、過去改変等の技術的なところでは一線を越えない理性。何より好奇心。そして白髪にゴーグルっていう風貌。本当に良いキャラ。
最後の終わり方も、綺麗に終わりつつも、次回作への伏線を残しつつドタバタで〆るっていう。そりゃ名作になるわって映画でした。このまま勢いで2と3も観たい。
とにかく面白かった!
(2021.09.20)(movie)バック・トゥ・ザ・フューチャー2
『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』
いやー、本当にワクワクした。温故知新だねぇ。
1は綺麗に終わりつつも続編を作れるかも、って終わり方だったけど、2はがっつりと3へ続ける感じで終わるんだね。最後、3の予告編が入ってたし。で、最後のTO BE CONTINUEDや、次作の予告編を入れる演出等、多分これが最初なんだよなぁ、と感慨深く。
しかし、2だと1と時代が違うのに、その時代の中で1と同じような演出をしていたり、1の場面を別視点から見てる演出が多くて、タイムリープものの演出の定番ってこうやって作られたのか、って。
で、演出に関して言うと、2は未来を描いてるから未来風の演出をしようと頑張ってるのが、今になってみると演出がまんま特撮のそれだったりして、ハリウッドの特撮を見てるようで不思議な感じ。そして、未来と言っても2015年だから2021年現在から言うと5年前。ポルノも歌ってるように車はまだ空を飛んでないよ。ネットワークと電子機器の小型化が予想以上に進んじゃったんだね。BTTF2で描かれている2015年はスチームパンク色がちょっとある世界だったけれど、今の未来よりもずっと活気に溢れてて情熱と希望に溢れている世界として描かれていた。
技術進歩の方向性が違えばこんな未来があったのかもしれない、とか空想してた。そして、並列世界とそれを線で表す概念、所謂「世界線」が描かれていて、分岐して間違った未来から正しい未来に戻る為に、分岐の原因になった過去の事象を正そうという流れ、どうしてもYU-NOとかシュタゲを知ってから見てるので、そっち基準で考えてしまう。このシリーズをタイムリープものの原体験として触れたかったなぁ。
それにしても、やっぱりワクワクする展開だった。何というか、アクションがかなり強めなんだよね。2でデロリアンもスケボーも空を飛んでて、やっぱり未来だから飛ばないと!って勢いが大好き。最高だった。最後の馬糞まで含めて、これぞ娯楽映画って感じ。
で、完結編の3は全ての決着をつけに開拓時代の過去に!いいねいいね、やっぱり決着は過去で付けないと。ほんと、何で今まで観てなかったんだろ。
(2021.09.23)(movie)バック・トゥ・ザ・フューチャー3
(movie)バック・トゥ・ザ・フューチャー3
もう、タイムリープものの最高の大団円という意外に無いって終わり方でした。
クライマックスが、絶対成功するって分かっているのにドキドキさせられる盛り上がり方。そして、期待以上の結末。
1から続く演出を形を変えて見せられるのがシリーズ物の魅力ですね。3は過去が舞台、すべての決着をつけるために訪れた西部劇の時代は、今までにも増してアクションシーンに力が入ってました。
と言うか、この年になって初めて見ると、このシリーズの主人公ってマーティーじゃなくてドクだよね、って思いました。マーティーは物語のナビゲータなんじゃないかと思ってしまう。特に最後の終わり方を見ると、このシリーズはドクの為の物語なんじゃないかと。
ドクもマーティーもみんな幸せになって良かった。鑑賞後にこんなに気持ちよくなれる映画シリーズは久々かも。いやー、面白かった。(語彙)
(2021.09.30)(book)SpottedFlower5巻
『Spotted Flower』(5巻)/木尾士目
いやー、こっちも新刊が待ち遠しかった。連載誌の関係で2~3年に一冊しか出ないのに、30分したらまた数年待たされる罪な作品。
3巻で起こった衝撃的な出来事から転がり始めた色んな人間関係。その事自体よりも、人と人との繋がりが織り成す世界の中で、本人の預かり知らぬところで新たな思惑が芽生えて、新たな火種が生まれていく。そんな人間関係における「風が吹けば桶屋が儲かる」を描いたような話なので読んでいて面白い。なんだっけ、ペルソナも噂が世界を作っていくとか、そんな話なんだっけ。
しかし、自分の中でBLは絶対にあり得ないって思っていたんだけど、BL自体がどうこうじゃなくて積年の想いや思慕の感情を丁寧に描いた上で、たまたま好きになった人が男だってってパターンなら、そこまで違和感なく読める気がする。目的じゃなくて手段として描いてるから。だけど、その事がきっかけの痴情のもつれで人間関係がカオスになってて……いいぞ、もっとやって!
笹原のあの行動を見て「あれ?」って。彼ってノーマルだったはずなんだけど、長年のオタク生活と現状の暮らしの中でそういうに目覚めちゃったのか、もともとそういう素養があったのか。
この作品を読んでると、好きの対象における性別はそんなに大した問題じゃないような気になってくる。良いとか悪いとかじゃなくて、そういうのはその枠の中に居る関係者達の問題なのであって、外野がどうこう言う問題じゃないよね、って。
あー、6巻が待ち遠しい。
(2021.09.30)(book)invert 城塚翡翠倒叙集
『invert 城塚翡翠倒叙集』/相沢 沙呼
medium 霊媒探偵城塚翡翠の続編。mediumが衝撃的だったので発売を知ってから楽しみにしていました。mediumの最後で明かされる結末からの続きなので、読むならmediumから。
今回は3篇の中編集。1篇目、2編目で助走を付けてからの3篇目がさすが、という感じ。読者視点を意識したりミステリ作者の苦悩を描いたり、結構メタ的な部分もあるけれど、解決編の中で語らえる事はちゃんと伏線として文中に示されてるので気持ち良い。関係ないけど、「読者への挑戦」がちゃんと用意されてるのって結構珍しかったりするのかな。漫画だとコナンや金田一がやってるから違和感ないけど、小説でちゃんとなされているのは結構珍しいのかも。
しかし、作品としてどうこうよりもヒロイン兼探偵の城塚翡翠のキャラクタが好きかどうかが全ての作品だと思う。過剰なぶりっ子、所謂オタサーの姫的な振る舞いの中から垣間見える本音。いや、それすらも城塚翡翠の計算された演技なのかも、という感じで城塚翡翠劇場を堪能させて貰っているような作品。
私もそうだけど、オタク気質の人は楽しめると思う作品。