Marumaru's TinyPlaza
(2022.01.17)(book)恋に至る病
『恋に至る病』/斜線堂有紀
「『ラスト4行のどんでん返し』みたいな帯に惹かれた」という書評を読んで気になって読んでみました。
確かに最後の4行の破壊力がすごかった。カタルシスがあるという訳じゃなくて、登場人物の在り方がラスト4行でがらっと変わる。自分の解釈を固めた上で他の人の感想を読んで、他の人の考えも見てみたい。そんな風に思いました。
この本に限らず、ラスト数行のどんでん返しでそれまでの価値観が瓦解したり反転したりする作品は好き。綺麗な伏線が貼られていれば猶更。
余談だけど、読み終えてから『恋に至る病』っていうタイトルは面白いなって思った。恋に落ちるのは洗脳であり信仰だと思っています。お互いの中に存在する確かなものをお互いが感じ取れているのなら、世界の全てはそれに付属するその他に過ぎない。
っていう考えを肯定してくれるセカイ系の中二病的な価値観に浸りながら読めました。ライトノベルってこういうので良いんだよ。
(2022.01.21)(book)黒牢城
『黒牢城』/米澤穂信
この本、年明けにネットで面白いって話題になっていたので、「氷菓」の作者が執筆されている事もあって図書館で借りてはきたものの、読まないままに返却期限になろうとしていました。
が、そんな折に直木賞受賞の報が飛び込んできました。これは、今返してしまうと次に借りれるのはいつになるか分からない。と、休みに慌てて読み始めたんですが……。
いやー、面白い。それなりにボリュームのある作品だったんですが、読み始めたら一日で一気に読んでしまいました。
戦国時代を舞台にした話なんですが、私が戦国時代にとんと疎く、その辺りはよく分からないんですが、戦国時代好きな人だとその辺りの含めて楽しめそう。戦国武将を独自の解釈と視点で描いてるみたいです。なんでも、最近は戦国時代の新しい資料が次々見つかって、今まで定説とされていた事が覆されてるみたいですね。
それはさておき、内容は完全にミステリです。戦国ミステリとでも言うようなジャンル。もう、米澤穂信さんの魅力がここぞとばかりに発揮されています。複数章に分かれながら内容的には繋がっている話なんですが、どんでん返しが気持ちいい。
そして、それに至る伏線がそれまでに綺麗に張り巡らされていて、キーになる部分は確かに読んでいた時に少し違和感を覚えた部分ではあるんです。それが思いもよらぬ形で最後に登場して物語がひっくり返る快感。章ごとに、そして物語を通じて、と何度もカタルシスを味わえました。
最初は黒田官兵衛の一風変わった安楽椅子探偵モノ?とか思っていたんですが、そうじゃなかったのだなぁ、と。
戦国時代が舞台なので普通に斬った斬られたはありますが、籠城中の城という外界から隔離された舞台で繰り広げられる会話劇はまさに米澤作品でした。こう、結果だけ見ると表面上はあまり変わりがないような世界の、舞台下で繰り広げられている奸計と張り巡らされた策略を会話で解き明かしていく展開、大好きです。
(2022.01.21)最近アウトドアにはまっている話
最近、と言うか去年の秋頃からアウトドアに興味を持っています。
最初は去年の秋に、ちょっと用事で他の人と夜の山に行くことがあって、そこで他の人と車中泊だBBQだと盛り上がっている時に、とりあえず自分の椅子ぐらいは買おうかと思ってホームセンターに行ったら、地元のホームセンターが存外に色んなキャンプ用品を揃えてて、実際に見て触ってたらテンションが上がった事が始まり。
本当は一番安いアウトドアチェアを買う予定だったのが、名前だけは知ってたColemanのチェアを買ってしまい、そこからネットとかでアウトドア用品を調べるようになり、ランプがあったら雰囲気出るよね!ってことで、ランプと虫よけ成分の入ったパラフィンオイルとかを買って来ました。
で、実際に夜の山の中でランプを灯してアウトドアチェアに座りながら、BBQしたり話したりしてると、他の要因等々もあってすごく気持ち良かったんです。
そこで、私が趣味でちょくちょくやってる天体観測。いつもは座って只ひたすらに流れ星を待つだけでしたが、流れ星を待ってる時間にコンロとかで軽食を作れたら天体観測の時間がもっと楽しめるかも?と思い立って、コンロと鍋とかを用意しました。色々調べたんですが、火を使うものだけは国産が良かったのでコンロはIWATANIで。
そんな事をしてた頃の写真。
この時は鍋を汚したくなかったので、鍋はお湯沸かし用にして、カップ麺やコーヒーを飲んでいました。暖かいものがあると、流れ星を眺めている時間が更に楽しいものになりました。
ですが、この辺りで転機が訪れます。「ふたりソロキャンプ」なる漫画に傾倒してしまって、何度も読んでいるうちに外で料理を作りたい!って欲求が強まってきて、作中で紹介されているアウトドアグッズ等を調べるようになっていました。時を同じくして、私のTLに空前絶後のソロキャンプブームが巻き起こり、TLに次々と流れてくるキャンプの様子に完全に虜状態です。
そして、色んな影響で、肉を焼きたい!という衝動に駆られてフライパンを買ってきて肉を焼きました。外で色々するには寒すぎたのと装備が整っていないので、とりあえず家の土間で簡単に。
いやー、肉美味しい!とにかく赤身肉に齧りつきたかったのでランプっていう部位の塊を買ってきて、焼きながら食べました。普通はフライパンで焼きながら切って食べるとかかなり行儀悪いですが、アウトドアのコンロ調理という名目があれば許される気がしました。
んで、ネットで無料分だけ読んでいた「山と食欲と私」という同じく漫画に触発されて、インスタントラーメンの中にちょっとお高めのウィンナーを入れてそのまま食べるのをやってみたり。ウィンナーの塩分がサッポロ一番塩ラーメンと非常によく合っていました。
そして〆にタコをバーナーで炙りながら熱燗を。お炙りなさい……。そんな感じで土間で調理してたらますます欲求が高まってきます。色んな事をやりたくなってきます。ちょうどワークマンからソロ用のお手頃な値段のテントが発売するみたいだし。
あと、パーコレーターを用意して、山とかに軽く登って美味しいコーヒーを飲んだりもしてみたい。外でコーヒーを一服するだけなら、インスタントコーヒーもパーコレーターも手間はあまり変わらない、と言うかパーコレーターの方が1つで全部揃ってて楽なのかもしれない、とか。(金額を考えなければ)
はたまた、ちっちゃなグリルを買ってきて、すぐに火が付く形成炭を使って焼き鳥やお肉を焼いてみたりとか、そこら辺の枝を集めてきて簡単な焚火をしてみたりとかも楽しいかも、とか。アウトドアチェアに座ってる前に焚き火があると雰囲気出ると思う。(完全にふたりソロキャンプの影響)
そんなに大した事をしてる訳でも、色々買ってる訳でもないんですが、やりたい事を想像してギアを眺めてるだけで割とかなり楽しい。まさか自分がアウトドア系に興味を持つとは思いませんでした。
「ふたりソロキャンプ」にかなり影響を受けている気がします。特に、作中で語られている、自分の拘りは当然持っているけど、他人の拘りに口を出したりしない。人にとやかく言うよりは自分の趣味を楽しんだ方が良い。っていう考えにとても共感しました。これってガンダムのビルドファイターズに流れる「ガンプラは自由だ」っていう信念に通じるものがあるんですよね。
私の場合、テントを設営したりがっつり料理したりっていう事よりも、アウトドア用のギアのギミックが楽しいです。持ち運ぶ為にとにかくコンパクトに収納できるようになっていて、簡単に設営も出来るギア。それを使ってコーヒーを飲んだり、軽食を摂ったり、そしてそれを何かの目的と一緒に実用的な形でシーケンスに組み込みたい。そんな事を考えながら通販サイトを眺めたりするのもとても楽しい。大きなものを持ち運ぶんじゃなくて、小さなものを取り出して、それで何とかしたい。
そして、アウトドアグッズを眺めていると、ColemanとかSnowpeakとかLOGOSとか色んなブランドがありますけど、初心者の為に必要な機能を備えたものをお手頃に提供してくれるという意味で、CAPTAIN STAGのファンになりそうです。やっぱりどれだけ続くか分からないから、最初はスモールスタートで始めたい。で、色々と足りないものが見えてきたらその時にまた考えたい。
ただ、写真映えの関係でSnowpeakのマグカップだけは欲しいかも。
取り留めのない内容ですが、自分のBlogなので最近思っている事を取り留めなく書いておきます。
(2022.01.22)貂蝉クシャトリヤを組んだ
書くのが遅くなったので、覚書を兼ねて簡単に。最近はスマフォからTwitterに投稿して終わってしまう事が多く、それはそれで手軽で便利なのですが、後で自分で見直す時の事を考えたらBlogに書いておくのも悪くないな、と。
数年前から正月初売りに行ってガンプラを買い、それを正月休みに組むという事を何とはなしにやっていましたが、今年は貂蝉クシャトリヤを選びました。
なんでも、SD 三国創傑伝というシリーズらしいです。
SDガンダムの三国志シリーズって以前にもあった気がするんですが、別シリーズみたい。何はともあれシリーズが展開されてキットが増えるのは良い事です。
と言うか、初売りで行ったプラモ屋さんに三国創傑伝がやたらと並んでいて、他の所謂普通のRGやHGシリーズがあまり無かったんです。正月だからちょっと奮発してRGでも買っちゃおうかなぁとか思っていたんですが。ガンプラ不足の話はよく聞きますが、私に実感した瞬間でした(クエス調)。
SDシリーズを久々に買ったんですが、最近のキットって本当に出来がいいですね。SDと言えば小学校の時ぐらいに作っていたBB戦士のイメージが強いんですが、その時より遥かに完成度が高くなっていました。バンダイ脅威のメカニズム。
まず、パーツに使われている色が多い。5色ぐらい使われているので、素組でも普通に格好良く仕上がるんですよね。そしてゲートって言うんでしたっけ、切り離す部分が組んだ時に目に触れない内側になるようになっている。だから普通にパチパチ組んでいても、バリが表に響きにくいんですよね。それ以前に、普通にニッパーで切ってもバリが目立たず切り離しやすい。
更に、これは三国創傑伝シリーズの特徴なのかもしれませんが、半透明のクリアパーツが多い。だから、組みあがった時に非常に華やかな見た目になるんですよね。ただ、ちょっとキラキラし過ぎていて、パチンコみたいな感じがしたのでちょっと好みが分かれるところかも。ただ、もともとの対象年齢層を考えると、分かりやすく光るのは格好良さだと思います。
で、何が一番すごいって、この出来のキットが500円そこらで買えるっていう事。お手頃過ぎる。
ランチを食べるより安い値段で格好良いキットを買えて、1時間そこらでさくっと組んで、飾って触って楽しめる。何と言うかとても幸せな時間でした。
残響 タイトルは多分、哲学者キルケゴールの著書「死に至る病」から取っているのだと思います。
キルケゴールの言うところの「死に至る病」とは絶望のことで、絶望という「罪」は、神の前に自己を捨てることで許される……っていう内容なんです。
だから恋と信仰と世界と二人の「病」というのは、キルケゴール的有神論的実存主義哲学と重なるところがある……と知ったような口を叩きますが、実際小説を読んでいないのですから、当てずっぽうを失礼しました!(笑 (2022/01/17 21:27:39)
まるまる
こんばんは。
今年もよろしくお願いいたします。
この話なんですが、ラスト4行のどんでん返しが価値観の瓦解ではなく、ヒロインの人間性を示唆するものなんです。
テーマが所謂、セカイ系というレッテルを貼ると楽に言葉に出来るもので、感想サイト等を眺めていても感想の名を借りて自分の意見を好きに語るものが多かったんです。
が、あとがきを読むと、このヒロイン自身の人間性に関する伏線を作中に張り巡らせているので、全てのピースを組み合わせるとヒロインについての事を読み解ける、という事なんです。
もし、この作品を読まれることがありましたら、読了時に本文から読み解けるヒロイン像についての考えを教えて欲しいです。
私も読解力に自信がないので適当な考えを書いて言葉を濁してしまいましたが……一言で説明出来る事なのか、もっと深い何かがあるのか。
物語としてはさくっと読める本なので、もしお時間が取れるようならばお付き合い頂ければと思います。何というか、沈黙は金ですね。エヴァじゃないですが、語らないでおくことが最大公約数に対する正解のように感じた作品でした。各々の想像に任せるのが一番の魅力。
(2022/01/17 21:42:09)