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(2022.10.09)(book)invert II 覗き窓の死角

『invert II 覗き窓の死角』/相沢 沙呼


霊媒探偵城塚翡翠の第3弾。なんでも、この秋から実写ドラマになるみたいですね。

それはさておき、大好きで続きを楽しみにしていたシリーズの新刊です。色んなものに邪魔されずに読書に没頭したいから、予定や体調を考慮してベストコンディションで読み始めたぐらいの期待。

今回は2編からなる構成です。最初の話はある意味で城塚翡翠シリーズらしい展開で、最後のどんでん返しが心地よかった。

後半の話は、翡翠の内面に踏み込んだ話。翡翠の冴えわたる推理を楽しむという話ではなくて、彼女だから推理をするのを躊躇う、彼女だから最後まで解け切れなかったという葛藤を掘り下げた話。

登場人物も少なく、展開も本当にシンプルなんです。だからこそ、事件解決の為に苦悩する彼女がブレる事無く描かれて、そんな彼女がとても魅力的なんです。そもそも、このシリーズってヒロインの城塚翡翠が癖が強い個性的なキャラをしているので、彼女自身を好きになれるかどうかと言うのが物語を楽しめるか否かの要素になると思うのですが、そんな彼女に惹かれて3巻まで読んでいた自分にとっては、彼女の内面そして魅力を掘り下げてくれたこの話はとても楽しめました。

あと、本の装丁がイラスト込みでとても美しかったです。表紙の美しくも哀しい翡翠は3巻の物語を象徴するかのよう。




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