Marumaru's TinyPlaza

(2023.04.20)(movie)デンデラ

『デンデラ』


ネタバレ気にせず書いているので未見の方はご注意を






















TLで何人かが話題にされていた映画。PrimeVideoで配信されていたので観ました。

貧しい村の風習で70歳になった老人は山に棄てられるという風習について描いた映画、所謂、姥捨て山を描いた話。小説が原作みみたいです。

姥捨て山に棄てられた老婆達が山の裏にデンデラと名付けられた集落を形成し、村の風習やしがらみから解き放たれて暮らしている。その老婆達は自分達を棄てた村に復讐を計画している。そして、デンデラの人口が50人に達した時、その計画は実行に移されようとしている。

だが、実行を決起した矢先、デンデラは親子の熊に襲撃される。何とか熊は撃退したものの、その代償にデンデラの住民の大多数は犠牲になってしまう。それでも村を襲おうと再起するものの、進軍途中に雪崩に見舞われてしまう。

と言うあらすじ。原作の小説がある物語の劇場化と言う事で原作のニュアンスを理解しきれていないところがあるのかもしれないのですが、いまいち消化不良感が否めない作品に思えました。

どうしても違和感を覚えざるを得ない点が2点。1点目は一番若い老婆が70歳、デンデラを立ち上げた指導者が100歳を超えているという設定で、如何に農作業や山の仕事に従事しているとはいえ、動きが機敏すぎるのではないかというところ。

2点目は制作費等の関係があるのかもしれませんが、デンデラの脅威たる熊がほぼ静止画の状態で描かれていて、熊が吠える→老婆が殺害される、というシーンが続き過ぎて、熊の脅威や人の力ではどうしようもない強大な力を描こうとしているものの、説得力に欠けるというものでした。

多分ですが、物語を通じて描こうとしていた事は、70歳になり今まで育った村に棄てられた人達が、これからをどう生きるか、新しい人生をどう作っていくか、という事だと思うのです。

ですが、物語を見た感想としては、70歳を下限とする集団は自然や野獣を始めとする脅威の前では成す術もなく踏みにじられてしまうそんな悲しい物語に思えて仕方ありませんでした。

姥捨て山に棄てられた老婆達が、再起して奮起するも、その結末は決して報われるものではなかった。だけど、ただ棄てられるよりかは、その余生は充実したものであった。そんな何とも言えない感想を抱いてしまいました。

村のしきたりや風習に虐げられていた老婆達が、70歳になり棄てられデンデラという場所で今までのしがらみや価値観を捨て去り、幸せな余生を暮らす。けれども、大きな目標の前にはあまりにも無力であった。

そんな、なんともやるせない印象を受けてしまいました。

多分、私が色んなニュアンスを上手く咀嚼出来ていない、読解力が無いからの感想だと思うので、この感想を書いた後に他の人の感想を読んで、この物語が描きたかったであろう事を読み解いていきたいと思います。



(2023.04.20)青のオーケストラ(2話まで)

『青のオーケストラ』(2話まで)


今期アニメで面白いと言う話を聞いたのでPrimeVideにて配信されている2話まで観ました。

何このシンジとアスカ。


それはさておき、前情報無しで観たんですが、1話の最初のバイオリンで心を掴まれました。N響の演奏を見ているような衝撃。流石、NHK制作。

幼いころから音楽をやっていた主人公が思春期のトラウマで音楽を辞めてしまったけれど(大抵それは幼い時からの英才教育も絡んでいたり)、何かのキッカケで音楽の楽しさに出会ってまた再開する……と言うのは音楽モノだとよくある話ですが、王道ゆえに上手く調理すれば抜群の訴求効果があります。

そこのキッカケがボーイミーツガールなら、何とも甘酸っぱい青春ものの完成。青春ものはもう自分が感情移入するには年が離れすぎてしまって、フィクションの物語としてしか見れなくなってしまいましたが、それでもとても良質で甘酸っぱい物語の始まりを感じました。

それと、OPがNovelbrightだったのが個人的に嬉しかった。WalkingWithYouが印象的なバンドですが、青春ものにどんぴしゃな選択だと思いました。しかし、青春ものは手書き風フォントで右上がりレイアウトという風潮はいつまで続くんでしょうか、嫌いではないけれど。

そして、1話と2話の話の構成がとても秀逸。1話での青野が音楽をやめたキッカケの説明、律子との出会い、そしてソロのヴァイオリニストだった青野がオーケストラでヴァイオリンを奏でる事になる仄めかし。2話での律子とのふれあいからのバイオリン解禁。2話を見ている時点で青野のバイオリンを聞けたら良いなと思っていたところだったので、最後の彩り鮮やかな演出と共に青野のバイオリンが鳴り響く展開からの特殊EDは少し泣けました。オッサンで涙腺が緩いので。

しかし、ヴァイオリンの演奏一発で律子の気を引く青野は格好いいですね、なんて羨ましい。この作品に限らず、色んな創作や音楽における楽しさを見つけて、楽しいからやるんだ!というパッションを描いている作品は見ていて本当に気持ちいいです。

1話最後の次回予告で先生が言っていた「大人になって分かったよ。その時にしか出せない音がある」は本当にその通りで、ラブライブの「限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドルが好き」にも通じるものがあって、学生時代と言う環境や時間の中でしか生み出せない輝きと言うのもは確かにあって、それは本当に眩しくて尊いものだと皆が認識しているからこそ、青春何て言う言葉がある訳で。

だからこそ、この物語の行方がとても気になります。

余談ですが、青野と律子の楽器演奏にそれぞれの演者が割り振られているんですね。何となくマクロスの歌バサラ、歌ミレーヌを思い出しました。この感じだと他のパートの人もそれぞれ演者が居るのかも。後半あたりでオーケストラが出来るようになった時、それぞれのキャラクターの演奏を演じながらオーケストラをする演者さん達のドキュメンタリーみたいなものを見てみたいと思いました。

何はともあれ、全く知らない作品だったのでリアルタイムで追える事になって良かった。




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