Marumaru's TinyPlaza

(2023.06.01)(game)通夜

『通夜』


NitendoSwitchのインディーゲーム。何かの記事で見かけて、祖父が亡くなったので通夜の為に田舎に帰省するという内容と、和室に棺桶が置かれているスクリーンショットに興味を持ってやってみました。200円っていうのも大きい。

夏の田舎が舞台、BGMは終始セミの鳴き声と自分の足音のみ。

ホラーゲーム?って言うのかな、そう言うのは全く未プレイだったんですが、何度かゾクっとしました。

分かりやすい恐怖よりも、懐中電灯の灯りを頼りに見知らぬ田舎道を歩くのが一番怖い。

お使いゲームで1時間ぐらいで終わるので、さくっと遊べます。ゲーム中のヒントを総合して出てくる答えにひんやりするゲームかもしれません。



(2023.06.13)(book)洞窟ばか

『洞窟ばか』/吉田 勝次


メディアで何度か見かけた事がある洞窟探検家の自伝+写真集。

洞窟探検を仕事とする為に洞窟の魅力を人に伝えるには、言葉も大切だけど万の言葉よりも一枚の写真の方が遥かに説得力がある、みたいな事が書かれていたんだけど、巻頭の写真を見て本当にそう思いました。灯りが無いと真っ暗な洞窟なんだと思うけれど、光があたると地面の下にこんなに素敵な空間が広がっているんだ、と。

本の内容は著者の吉田さんによる洞窟探検の魅力と、ご本人のとにかく前向きでアグレッシブな性格と行動力を使った自伝が語られていました。本の内容も面白いんですが、とにかくこの本の魅力は関東の洞窟の写真だと思います。この写真が洞窟の魅力を何よりも雄弁に語ってくれています。

本書の中でも書かれていましたが、「冒険」と「探検」は明確に異なっていて、冒険は、危険をおかすことや、危険を承知で行うこと、成功の確かでないことをあえてやってみること。探検は、未知の地域などに入り、探り調べることで。だから、著者の吉田さんは自分の事を洞窟探検家と自称していて、冒険家と呼ばれるのはあまり好ましく思っていないとか。言われてみてなるほどと思いました。

しかし、勢いとバイタリティがある人は行動すればするほど人脈や機会が広がって本人は最高だと思うんですが、周りの人は大変だなぁ、と。

余談ですが、小口絵として著者の写真が描かれていて最近の本としては珍しかったです。



(2023.06.22)(movie)ミッドサマー

『ミッドサマー』


名前だけ知っていてたまに話題に挙がっていたので、ネタバレを食らう前にPrimeVideoで観ました。

よく、大学生の集団やカップルとかが旅行で日本の山奥の村に迷い込んで、そこの奇祭や因習に巻き込まれる、みたいなお話はよくありますが、そういう話って陰鬱な雰囲気で夜に展開される暗い話が多いです。

が、これはヘルシンキの明るい太陽の下、白夜で夜も来ない中での狂気を描いています。白いワンピース風の衣装に身を纏い、夏の太陽の下で90年に一度のお祭りをしている、そこに旅行で訪れた大学生一行がその祭りと言う名の狂気に巻き込まれていく話。

閉鎖空間における信仰みたいなものに含まれる狂気を、明るい雰囲気・空間の中で行うというのがテーマだと思うんですが、明るい中だとエログロシーンがギャップのおかげで余計に引き立っている感じはしました。

そう、R15なのもあって結構エログロがありました。暗く陰鬱なシーンで行われるような事を白日の下で行われるとこんな感じになるのか、と。信仰と言う名の狂気や同調圧力が余すところなく描かれています。

繰り返しになりますが、青空と燦燦と輝く太陽、開放感のある広々とした草原。そんな極彩色の世界の中でいとも簡単に行われるえげつない行為。「花園メリーゴーランド」と言う漫画を思い出しました。日本の同じようなテーマの作品と比べて演出が本当に真逆なのが興味深かった。

家族を失った事でトラウマを抱えたヒロインが、新しく出会った狂気の価値観に染まってしまい、その中で恋人を捨てて新しい家族になる、という展開は冷静に考えるとかなり恐怖です。まさに宗教的な信仰に染まった感じがしました。信仰は心の支えだからそれが間違ってる訳ではないんですが……。




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