Marumaru's TinyPlaza

(2024.09.02)津和野(益田)に行ってきた

所属している団体の行事で島根は益田に行ってきました。朝6時出発の日帰り弾丸行程。

で、行事に付属する分科会で軽く津和野観光をしてきたので、その時の事を覚書。

しかし、自分の中では「島根」に行ってきたつもりだったんですが、益田も大概県西の立地でしたが津和野はそれに輪をかけて南西で……島根って言うかほぼほぼ山口でした。てか、島根が広すぎるねん。松江から津和野までどれだけあるんだって言う。

話をしていて、鳥取は倉吉から来た人が益田まで5時間かかったと言っていて(高速が繋がってないんですよね……。)、福岡は久留米から来た人が3時間だと言っていたのに驚きました。なんか、一応島根だと思っていたから、海を渡って九州から来るより隣の鳥取県の方が近いだろうって印象だったんですよね。

閑話休題。

益田から津和野までバスで1時間ほどだったので、バスの中でお昼ご飯の弁当が出ました。津和野は森鴎外生誕の地なんですが、森鴎外が好んで食べたという料理をまとめた「鴎外食」というものを作って盛り上げているのだとか。

その鴎外食をお弁当にしたものを頂きました。確か、「みやけ」っていう旅館のお弁当だったはず。



で、この鴎外食なんですが、なんて言うかメインディッシュを集めたような、かなりわんぱくな内容で食べ応えがありました。

天ぷらに、鰻に、鮎の甘露煮、牛鍋、蕎麦掻、リンゴのコンポート、etc……。どれだけオールスターなんだと。お座敷で頂くVerはこれに饅頭茶漬けとかがついてくるらしく。血糖値が爆上がりしそう。至ってしまう。

しかし、鴎外が医者だったので果物は生では食べなかったとか、色々とエピソードを聞かせて貰いました。あ、鰻も鮎も美味しかった!

津和野について、太鼓谷稲成神社に行きました。

なんでも、昔はお殿様しか参拝出来ない神社だったけれど、当時の金庫番の人が蔵の鍵をなくしてしまい、人目を盗んでここに参拝したところ、7日目に鍵が見つかったそうな。

それから、正直にお殿様に報告したところ、それ程にご利益がある神社ならと言う事で「稲荷」を「稲成」に変えて一般にも開放したのだとか。

お供え物セット。お揚げをお供えするルール。

今回は、ここの正式な参拝方法である「四ヶ所参り」を体験させてもらいました。境内にある4か所の参拝所を「元宮」→「命婦社」→「新殿」→「神殿裏奉拝所」の順番で参拝するんですが、狭い道を通っていく感じでちょっとワクワクしました。

新殿。このしめ縄って、横の綯っている部分が雲、垂れ下がっているのが雨、御幣が雷を表しているんですね。初めて知りました。この豊作祈念を刈り取った稲で作っているのだなぁ、と。

太鼓谷稲成神社は諏訪野の街を見渡せる高台に建立されていて、とてもいい眺めでした。

獅子舞のおみくじロボット!!

そしてデスティニードロー、大吉!!愛を捧げたら倖せがあるそうです。

津和野の街に降りて、小休憩。源氏巻っていう銘菓の工場併設のお土産物屋さん。割れている看板の文字が良い味出してます。

ここで冷たいお茶と源氏巻の接待を受けて、他のお店は源氏巻を小さくしてステルス値上げしてるけど、うちはお値段据え置きです!って言われていたので、思わず購入。

なんでも、ここの街並みが綺麗な観光区画に9種11店の源氏巻のお店が軒を連ねているのだとか。

街並み。小京都と言われているそうですが、倉敷の美観地区や竹原を思い出しました。古い町並みの中のお店が佇まいを残したまま、綺麗にイノベーションされていて世代交代もされている。そして観光客への対応もばっちり。まさにお手本のような観光地でした。

水路に沢山の鯉。大きなのがいっぱい泳いでいました。

この地区は酒蔵が3つあるそうです。そのうち一つ。と言うか「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」って。うん、こういう方向の振り切りは大好き。

この酒蔵を見学させて頂いて試飲もさせてもらいました。普通のお酒に比べて大吟醸酒をどれだけ丁寧に手間をかけて作っているのかを説明して頂きました。大吟醸は高機能の特別なタンクを使っていたり、使用する水も山の頂上付近の源流まで汲みに行っているのだとか。大吟醸、美味しいですもんねぇ、そりゃ手間がかかるのも納得。

ちなみに、杜氏さんから「普通のお酒と吟醸酒の違い分かりますか?」と聞かれて、私を含めて数名が同時に即答してたのが面白かった。

医者だった森鴎外御用達の薬局。この一等丸っていうのは二日酔いを始めとして胃腸にとても良いらしく、懇親会を控えていた私達は次々に購入するのでした。

源氏巻アイス。暑かったのもあってとても美味しかった。


そんなこんなで3時間ぐらいの津和野観光でしたが、とても楽しめました。この日は益田の行事がメインだったので、寄り道でこんなに満喫出来るとは思っておらず大満足。この観光、40人乗りバスが満杯になる予定だったんですが、台風の影響で実際の参加者は20人程度。バス内で「1人1本割り当てでビールがあります!」って事だったんですが、飲む人が10数人程度だったのもあって、一人3本ぐらい貰えて良い感じでテンション上がってました。



(2024.09.12)(movie)オデッセイ

『オデッセイ』


シンゴジラ辺りの劇場予告で見て気になっていた作品だったんですが、アマプラに入っていたので観てみました。

劇場予告の内容しか知らなかったので、イメージ的に「ほのぼの火星農業スローライフ」みたいな作品を想像していたんですが、中身はかなり熱い作品でした。

火星探査中の事故で火星に一人取り残されてしまった主人公が、専門である農業の知識を活かして火星で芋の栽培を始める……までは確かに合っていましたが、それは手段に過ぎず、目的は当たり前ですが地球に帰る事。その為に地球や火星探査船クルーとのやりとりをしながら実現可能なプランを模索します。

なんですが、その過程が本当に熱い、と言うか王道展開なんです。火星に埋まっていた数十年前の衛星通信カメラを使って地球とやり取りする為に、地球側では当時の開発者を探してきてチームを組んだり、ちょっとコミュニケーションが苦手なギークな科学者がとんでもない方法を見つけたり、火星から飛び立つ宇宙船の重量を少しでも減らす為に窓や椅子、その他色んなものをパージしていったり……。

それらの過程が、これぞエンタメ!っていう最高の王道映画でした。これは劇場で観たかったなぁ。

しかし、宇宙空間で男女がエンゲージするというシチュエーションはやっぱり盛り上がりますね。思わずF91のラストを思い出してしまいました。そして、宇宙空間で絡まった命綱が模様を描いているシーンはGガンダムのラストを思い出したり。

2時間半という長さでしたが長さを気にせずに見れました。これだけシンプルな内容でもこの時間になってしまうんですね。90分でまとめている映画の凄さを改めて実感しました。



(2024.09.12)魂心屋のTシャツを手に入れた

ここ半年ぐらい通っている家系ラーメンの『魂心屋』というお店があります。行動圏内にある唯一の家系ラーメンで、以前からラーメンを食べる時はたまに選択肢に入っていたお店でした。

ここのお店は汁を全部飲むと『まくり券』なるサービス券が貰え、一カ月間トッピングや大盛がサービスになったりします。こんな券。

なんですが、このお店ってお昼に行くと普通に大盛無料だし、汁を全部飲むのは身体的にしんどすぎるので、普通に食べて帰っていたんです。

しかしながら、今年の初頭、ガンダムSEEDFREEDOMの映画にはまって映画館通いをしていた時に、映画を観てから近くにある魂心屋でラーメンを食べて帰る、というルーティーンが知らぬ間に出来ていました。

その時に思い出したんです。まくり券を22枚貯めれば魂心屋のTシャツが貰える!と。正直22枚とか絶対無理だろうーと思って気にしてなかったんですが、長期スパンで通えば割と行けるかも……と思い出しました。

ってことで、通い出しました。

ですが、やっぱりスープを飲み干すのは明らかに身体に悪そうな感じで、そもそもスープの味が(薄めにしても)飲み干す用じゃない感じだったんですよね。だから途中でやっぱり止めようかとも思ったんですが、つけ麺でもまくり券が貰える事に気づいて、つけ麺大盛だったら、ちょっと汁を多めにつける感じで食べていれば、食べ終わった時には汁がほぼ無くなってる感じだったので、これならいける、と思い再開しました。

ゆずつけ麺の存在が無かったら多分無理だったと思います。

そして念願のTシャツを手に入れました。割とかなり嬉しい。

ちなみに22枚目のまくり券は、定番の魂心ラーメンで。このヴィジュアルが多分家系のスタンダードな感じなんでしょうね。

そして……これでもう魂心屋食べなくていいんだ、という開放感が一番大きいです。食べなくていい、と言うか他のラーメン屋でも食べてる感が。このところ、休日のラーメン屋はほぼ魂心屋縛りになっていたので。



(2024.09.14)(book)夏の終わりに君が死ねば完璧だったから

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』/斜線堂有紀


図書館でたまたま見つけた本。

家庭環境のあまりよろしくない中学生男子が、町にあるサナトリウムの近くで大学生の女性に出会う。その女性は俗に『金塊病』と呼ばれる病気で、余命いくばくかの身であった。その二人がひと夏の心のやり取りを描いたお話。

あれですね。新海誠監督作品のような表紙のライトノベル。古くはアルジャーノンから、恋空から、Kanonから、私達の世代が青春時代に過剰と言えるほどに摂取したお話し。なんですが、ついつい読んじゃうんですよね。

人の死という物語におけるジョーカーを使っている話ですが、タイトルや序盤でヒロインが病気で亡くなる事が明言されています。最近の流行りと言うか、ある程度内容が分かった上で話を読むのが安心に繋がるのでしょうか。

ですが、話は綺麗にまとまっていて、伏線の回収も綺麗。最後も希望が持てる終わり方で、寝る前にさくっと読むには本当に最適な本でした。

亡くなると身体が金になる病気で、亡くなると献体として3億が手に入る。という少し突拍子もない設定ですが、人が亡くなる事で価値が発生する場合、その人との愛情の価値をどうやって証明出来るのかという話。愛という目に見えないもの、二人の間に確かに存在するそれの存在をどう描いていくかというのは恋愛ものの普遍のテーマですね。

二人の交流のキーになるチェッカーというボードゲームの存在が物語に上手く絡んでいて、本当に綺麗にまとまった話だと思いました。



(2024.09.23)(book)君の地球が平らになりますように

『君の地球が平らになりますように』/斜線堂 有紀


図書館が毎年恒例の蔵書点検に入り暫く閉館になるから、と言う事で借りてきた本の一冊。

前回読んだ、夏の終わりに君が死ねば完璧だったからの作者の著書です。上記の本は、不治の病にかかった女子大生と男子中学生が心を通わす話で、正直よくある話でしたが、物語のストーリー自体よりも文章自体、そして愛と言う不確かなものの描き方が自分の好みでした。

さて、この本は5本の短編からなるオムニバスです。5本すべて女性が主人公で、テーマは恋愛と言って差し支えないと思います。ただし、どの話にも共通していると感じるのは、登場する女性が相手の男性からの愛を見つけられずに苦しんでいるところ。

一見幸せそうに見えるカップル、相手はとても大切に尽くしてくれているはずなのに、何が足りないのか。彼女たちは何を求めているのか、そんな内容が描かれています。

価値観が違っても、付き合ったり一緒に暮らす事は出来る。相手の気持ちは自分に向いているかもしれない、自分を思い遣ってくれているのかもしれない。だけど、価値観が違ったままだと言葉は心はすれ違ってしまい、進もうとする時も同じ目標にはたどり着けないかもしれない。

私の持論として、大切な人とは互いの目を見て話をし、互いに同じ方向を見て歩みたい。とどのつまり、愛情と言うものは、互いの価値観をどこまで共有する事が出来るか、異なる価値観に対して、理解は出来ないまでも許容出来るか。そしてその為にお互いがお互いを気遣っているか。その努力の先に生じるものではないかと思っています。

  • 君の地球が平らになりますように
    • 陰謀論に嵌った彼氏と言うのは面白いテーマ。価値観の違いについてとても分かりやすい例だと思いました。
  • 転ばぬ先の獣道
    • 誰に対しても優しい人は自分に対しても優しくしてくれる。ただそれは、無くなっても代わりがきく関係なのかもしれない。結婚という名前の契約に対する価値観の違いとか。
  • 『彼女と握手する』なら無料
    • 地下アイドルの話。自分を一番愛して欲しいという承認欲求を分かりやすい尺度で求めると拗れるという話。「私と10秒握手するのに3千円」と言うのは、性的サービスに対価を計算してしまう夜職に通じるものがあります。
  • 大団円の前に死ぬ
    • ホストと結婚したい女性の話なんですが、この話は男女関係よりも登場する女性同士の関係の方が面白かった。ホストのエースを狙う争奪戦を通じた不器用なコミュニケーションが描かれています。
  • 平らな地球でキスは出来ない
    • 最初の話に絡めた短編。内容を踏まえて、タイトルの付け方が非常に秀逸でした。

何と言うか、全体的に二人の間に信頼関係が存在してないんですよ。基本的に男性側に問題がある。ダメ男にひっかかった女性の短編集……と言い切るのは簡単ですが、それだけでは割り切れない様々なシチュエーションが描かれていて面白かったです。ただ、『大団円の前に死ぬ』に登場する女性二人の間には確かな心の繋がりがありました。

ここまで書いて思ったんですが、この作品、すごく壮大な『だめんず・うぉ〜か〜』なのかもしれない……。




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