Marumaru's TinyPlaza

(2009.08.27)(movie)サマーウォーズ

『サマーウォーズ』


監督が「時をかける少女」(以下、”時かけ”と表記)の細田守、キャラデザが貞元義行という事で、時かけが面白かったので観て来ました。


世界中で利用されているネットワークシステム「OZ」がコンピュータウィルスに乗っ取られ、人工衛星の管制が乗っ取られる。 このままでは人工衛星が地球の核施設に落下してしまう。それを阻止する為にネットワーク世界で繰り広げられる戦い……。


以下、感想を箇条書き気味に。


正直、テーマ自体はよくあるものです。

こういうテーマだと、”現実世界とネットワーク世界の乖離”、”ネットワーク世界の描写”が気になるポイントだと思っています。


前者については、現実世界の管制権限を持ったOZ世界が乗っ取られ、現実世界に影響が及んだ際に、OZ世界とは関係ない現実世界の繋がりで現実世界の問題を解決しようと試みた事。

そして、OZ世界の繋がりと現実世界の繋がりを並べて描いていた事であまり違和感がありませんでした。

現実世界の舞台が、夏の爽やかな田舎町という事もあるかもしれない。


後者については……微妙。

OZ世界の攻防について、精神論が出すぎているように思えました。

展開としては盛り上がりますが、ちょっと引いてしまう。


多分、自分が中高学生ぐらいだったら、本気で魅入っていたと思う。


OZ世界については、今の時代だと携帯出来るネット端末やSNS、セカンドライフ等々が既にあるので、比較的スムーズに受け入れられました。

突っ込みたい部分は山ほどありますが、無粋なのでしません。

ただ、どんな”設定”で作られているのかは非常に興味があるので、パンフレットを購入しておけばよかったと少し後悔。


テーマの関係で、非常に時事ネタが多いです。使用されているPC類、セカンドライフ、iPhone、掲示板のレスの雰囲気、etc…。

その為、公開された今の時期に観れた事は非常に良かったと思う。


絵については、時かけと同じく、貞元さんのシャープな原画に影を付けない塗りで非常に爽やかです。

ネットワークシステムであるOZ世界の描写が多いので、この絵柄はOZ世界の雰囲気に合っていました。


作中の舞台が夏で、絵柄の雰囲気も非常に爽やかな事。時事ネタが多い事もあり、観るなら今のタイミングだと思う。

ネットワーク世界を題材にした作品自体、非常に好みが分かれます。

が、全体を通じて漂う”駆け抜ける夏の爽やかさ”が心地よいので、時かけの雰囲気が好きな人なら楽しめると思う。


以下、ネタばれ(反転して下さい。)

このネタばれを背景色で記述する方法は、サイトを見る環境がPC以外等でCSSを無効にしていると全く意味がないんですよね……。
栄おばあちゃんの現実世界での戦の下り、もうちょっと引っ張っても良かった気がする。
ネットワーク世界の戦いはOZ世界でのラブマシーン打倒でまとまっていたのに、現実世界の戦いが少し少なめで散発的だった印象。


最後の花札のこいこい対戦の演出が大好きです(笑)
和服少女が派手なエフェクトを纏って戦う展開は大好きだ。
途中でアバターが鳳凰ちっくな羽を纏った辺りからラブマシーンを倒すまでの下りはもう一度DVDなりBlueRay等の高画質環境で観たいな。
この部分で思わず劇場で涙が……なんて単純な嗜好。


花札についてもう少し。
最後は”こいこい”の連続でどんどん役を高くしていましたけど、実際の花札だと”こいこい”自体滅多に出ないんですよね。
月見酒、花見酒での逃げ切りのなんと多い事か。
最後はやっぱり五光だし。五光なんて実際に出る訳(ry
この辺りは麻雀モノと一緒で気にしたら負けですね。実際に展開としては盛り上がりますし。


後、葬儀について。


不幸があった時に、女性陣が法事の手続きの事で頭が一杯になり、男性陣が”そんな場合じゃないだろう!”ってなる展開。
妙にリアルでした。

ネタばれ終わり




<(2009.08.25)(book)千年の黙―異本源氏物語 (2009.09.01)ニコニコ動画テスト>