Marumaru's TinyPlaza
(2011.02.21)(book)生贄のジレンマ
『生贄のジレンマ』〈上〉〈中〉〈下〉/土橋 真二郎
勢いと言うかスピード感がすごい。読み出したら止まらなくなって文庫本3冊を一晩で読んでしまいました。
「今から三時間後にあなたたちは全員死にます。ただし生き残る方法もあります、それは生贄を捧げることです」と言う言葉から始まる、卒業間近の高校を舞台に繰り広げられるゲームのお話。
この言葉と表紙でピンと来るものがあって読み始めました。
好き嫌いを選ぶ本です。乱暴な言い方をすると、「デスノート」、「バトル・ロワイヤル」、「カイジ」の"限定ジャンケン"辺りが好きな人にはお勧め。
有名な"ジレンマ"のエピソードをもとに、シンプルなルールのゲーム上で行われる駆け引き。ルールを上手く利用した展開と駆け引きの心理描写でラストまで一気に読ませてくれる勢いがあります。
細かいところを突っ込めば、微妙なところがあったり現実味が無い部分がありますが、そもそもこんな現実味の無い設定なのに命のやり取りのリアルさが伝わってくるんです。読みながら、手に汗を握り、頭では色々と考えてしまう。正直、夜中に一気読みしながら少し情緒不安定になっていました。それぐらい力のある本でした。
以下、ネタバレのツッコミと感想です。文字色を反転しても閲覧環境によっては意味が無いので別ファイルのリンクを張ります。
- ネタバレ感想 ikenie.txt