Marumaru's TinyPlaza

(2011.09.14)(game)カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜

『カナリア 〜この想いを歌に乗せて〜』/Front Wing


10年ぐらい前に出たゲームなんですが、知人と飲んでいた時に話題に上がって興味を持ったので勢いでDL版を買ってみました。

声優さんについて

このゲームを買おうと思った動機なんですが、このゲーム声優陣がとにかく凄いんです。

「こおろぎさとみ」「かないみか」「西原久美子」の私的3大幼声声優が共演していると言う夢のような作品。この3人ってソロや2人で出ている作品は知名度・ジャンルを問わず沢山あるんですが、3人揃って出ている作品は私の知識が足りない所為もありますが、ほとんど浮かばないんですよ。すぐに挙がるのが「スーチーパイ」と「ゲーム天国」ぐらい。

とりあえず、こおろぎさとみさんがサブヒロインの正統派妹キャラを演じていて、彼女の声と演技をしっかりと堪能出来たのが一番の幸せ。それだけで値段の元は取ったねっ!!動物の声や幼児の声に定評のあるこおろぎさんですが、ユナの一条院ミサキや同級生の田中美沙のような幼声を売りにしていない役柄の演技が好きだったので、この配役は嬉しい限りです。後、西原久美子とかないみかの口ゲンカって言うレアなシーンも聞けるなんて何と言う僥倖。

これらの声優さんは、声質的に1つの作品に1人ずつ外見的に幼く見えるキャラクター担当としてピンポイントで出演する事が多いので、それらの声優さん同士の絡みを聞けたのが本当に幸せ。

それ以外にも、「満仲由紀子」「雪乃五月」と、名前をよく見かける声優さんが揃っています。(この辺り、あまり興味が無いのでサクッと流すよ!)しかし、よくこれだけのキャストを(しかも一般名義で)揃えたものです。一応年齢制限かかってるゲームで、そういうシーンもある作品なので驚き。

ストーリーについて

完全に声優目当てで買ったゲームでしたが、プレイしてみるとなかなか面白い作品でした。青春バンドもの最高。

高校生の主人公が転校先の学校の軽音部にギターとして入って、学園祭ライブに向けて頑張る。と言う大筋の中で展開する青春物なんですが、作中の人間関係が入り混じって面白かった。各ヒロインのシナリオが、主人公と攻略対象のヒロインだけで完結せずに他のキャラクター(メイン/サブ・性別を問わず)を何らかの形で巻きこんで進んで行くんですよ。

それこそバンド内の恋愛模様であったり、バンドメンバーの音楽をする動機であったりと各キャラクターが複数人のキャラクターに絡んでいるので、全員分のシナリオをクリアすると作中の登場人物の人間関係の絡まりが見えて面白かったです。そんな人間関係の中で、"登場人物各々が抱えている悩みを音楽を通じて乗り越えていく"と言う展開が青春モノらしくて良いんです。

だけど、特定の一人のシナリオに関して「人の死」をストーリーの盛り上げの演出の様に使っていて、そこが少し薄く感じました。人の死はシナリオ的には王道を通り越してジョーカーです。身近な事象だけど演出で使ってしまったら、物語の素材も味付けも全部持って行ってしまうカード。……10数年前にKanonで号泣しておいて、どの口が抜かしますか、私。

音楽について

そんな歌を主題にしたゲームだけあって、シナリオの歌や音楽に関する描写以外にも、このゲームは音楽自体ににはとても拘ってるのが好感を持てました。

まずBGMに関して、打ち込みではなくて生演奏と思われる曲が多いです。自分の基準が低いだけかもしれませんが、所謂ギャルゲー基準だとこれは結構珍しい。

それと、各キャラにヴォーカル入りのテーマ曲があって、ED曲にそのまま使われていますが、どれも入りが上手いんです。ストーリーとリンクさせて曲自体に意味を持たせてます。こういう演出があると曲自体に思い入れが出来るから良いです。公式サイトで楽譜が配布されているのが分かってる。

総評

最初は完全に声優目当てで始めたゲームでしたが、王道とは言えなんだかんだで結構楽しめました。ゲーム自体はヒロイン攻略型ギャルゲーのテンプレなので、そう言うのに慣れている人は抵抗無いと思います。過度な期待をすると肩透かしを食らうかもしれないけれど、さくっと遊ぶには良いゲームでした。

そもそも、10年前のゲームを今の感覚でどうこう言う事自体が間違ってるかもしれないんですけどね。実際、このゲームを10数年前のKanonとかで涙していた頃にプレイしたなら、今とは違う感想を持っていたと思う。

最後に

これだけは突っ込ませて。

美香さん、着物の合わせが左右逆!!それじゃあ死装束になっちゃう。




<(2011.08.26)(music)オンナのコって マジ☆超えんじぇる!! (2011.09.16)増弾のピアス>