Marumaru's TinyPlaza

(2011.10.23)(movie)リミット

『リミット』


イラクでトラック運転手として働くアメリカ人ポールが、何者かに襲撃されてしまい、土の中に埋められた棺の中で目を覚ます。持ち物は携帯電話、ライター、ナイフ、ペン、酒、そして残り90分の酸素。ポールは地上への脱出を必死に試みる。と言うあらすじ。

何がすごいって「地中の棺桶に閉じ込められた。脱出しよう」と言うネタだけで90分の映画を作ってしまったこと。90分ずっと棺桶に入っている男を映していて姿が出てくる登場人物も主人公のポール一人だけ。これが全国ロードショウされたんだからすごいよね……。これ系って普通は単館上映なんじゃ。

私はDVD版を家で観たんですが、実際に劇場で見たら暗闇の中に閉じ込められていると言う感覚をリアルに感じられると思う。上映時間の90分も酸素の残り時間とリンクしていて、90分間ノーカットで地中の人を撮り続けたような映画です。

結論から言うと、私はこの映画あまり好きではないです。と言うか消化不良。

と言うのも、私の勝手な思い込みだったんですが、この映画に「手持ちの道具を駆使した地中からの脱出劇」を期待して観ていたんです。もっと言うと、徐々に不利な状況に追い詰められていく状態から思いもよらぬ方法で華麗に脱出すると言うカタルシスを味わいたかったんです。

ですが、実際にはメインの行動が携帯電話での会話で、与えられた道具も道具本来の用途でしか使用しないと言う内容でした。極限状態のポールが電話の会話を通じて訴えかえる、テロについて、アメリカについて、貧富の差と無力感、etc…。メッセージ性は非常に強い映画でした。考えさせられる事も多かった……だけど、観たかったのはそれじゃないんだ。

多分、観る人によって好みが分かれる映画だと思います。ですが、90分間ずっと棺桶に閉じ込められた状態で話が進むのに一気に最後まで観させると言うのはすごい力を持った映画だと思います。


観終えた後で他の人の感想も気になってネットを見ていたんですが、超映画評論が98点をつけてるのね、これ。




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