Marumaru's TinyPlaza

(2012.05.12)(game)比翼恋理のだーりん(ネタばれ無し)

『STEINS;GATE 比翼恋理のだーりん』/PSP


 ※一応、ストーリー核心に触れるネタばれを避けて書いたつもりですが、何をもってネタばれとするかの境界線は個人によって異なる為、ご注意ください。


最初は「比翼恋理のだーりん」(以下、"比翼恋理"と表記)と言うタイトルとパッケージ絵のイメージから、おバカな妄想萌えルートを追加したサイドストーリー集と思っていたんですが、STEINS;GATE(以下、"本編"と表記)にかなりハマったのでPSP版の発売を期にプレイしてみました。

そうしたら意外と……と言うと失礼ですが、話も展開も面白くて驚きでした。ボリュームも本編には及ばないものの、そこそこあります。何よりも色んな意味でちゃんとSTEINS;GATEなんですよ。流石にSTEINS;GATEの名前を冠しているだけの事はあります。

比翼恋理は原点であるSTEINS;GATEのファンディスク的な扱いなので、本編を未プレイでプレイする人は少ないとは思いますが……本編をプレイしてからの方が絶対に楽しめます。比翼恋理のシナリオの時間軸が本編の途中から分岐したような位置づけで進んでいく為、特定のキャラ以外は本編を最後までクリアしていなくてもネタばれ的には問題なく読み進む事が出来るようになっています。

ですが、本編をクリアしてそれぞれの登場人物の想いを分かっているからこそ、比翼恋理で語られている「あったかもしれないラボメンとの物語」をより面白く感じられる事は間違いありません。本編と言う大きな幹があってこそのファンディスクと言う枝葉ですものね。逆に、本編をプレイ済の人は迷わず比翼恋理をやるべき。


タイトルの「比翼恋理」について

慣用句の「比翼連理」から取った造語なんでしょうが、そもそも「比翼連理」自体が「天に在らば比翼の鳥 地に在らば連理の枝」という漢詩の一節から取られた四字熟語で、雌雄同体の「比翼の鳥」と別々の枝が絡まって一本になっている「連理の枝」から転じ、男女の深い愛情を表す言葉です。

そんな造語である「比翼恋理」と言う言葉がとても素敵なんです。比翼だけで、雌雄で翼を共有する鳥、「比」の字を「くらべる」と読む事で心を通わせるの意、そして「恋理」はそのまま恋の理(ことわり)と、字面だけ見ても愛する二人の幸せな情景が浮かびます。

更に、「比」を"同列に扱う"の意で捉えて、「翼ヲ比ベル恋ノ理」と漢詩風に読む事で、「仲睦まじい二人とはかくあるべきだと言う事を、翼を並べて飛んでいる番の鳥が教えてくれるのだ」言うそれこそ漢詩のような味わい深さがあります。

そんな訳で、意味合いも字面も語感も素敵な「比翼恋理のだーりん」オカリンとラボメンの行く末がどうなるのか生温かく見守るのも一興かと思います。それにしてもオカリンがイケメンすぎるんだ。




<(2012.04.29)(music)THE BEST ANGEL (2012.05.15)(game)比翼恋理のだーりん(ネタばれ有り)>