Marumaru's TinyPlaza
(2013.07.18)(game)君と彼女と彼女の恋
『君と彼女と彼女の恋』/Nitro+
前情報が無い状態で、「一度目」を自分自身で体験するのが大切だと思うソフトです。
ネットで見ていて、そんな感じがしたので、ネタバレに触れる前に買ってプレイしてみました。初回版はUSBメモリにデータが入っていて箱もコンパクトです。あ、ちなみにエロゲーです。
こんな感じで一辺が10センチぐらいの箱に入っています。このパッケージなら家に普通に置いておいても大丈夫ですね。
紹介する時に「内容は言えないから、興味があったらとにかくやってみて」って言うしかないソフトってあります。一発ネタなので旬の内に出来れば初回版パッケージで体験して欲しい。こういう書き方しか出来ない時点で何となく内容の想像はつくかもしれませんが、確かに今までに無い新鮮な経験が出来ました。
一つだけ書くと、話の最後に2択の選択肢があります。そこで本当に悩みました。分かっていても本当に悩みました。そんな体験が出来るので、時間があるときにじっくりと腰を据えて一気にやって欲しいゲームです。ちなみにプレイ時間は多分15時間前後だと思います。
クリアしてから知ったんですが、シナリオライターさんがシュタゲの人でした。なんとなく納得。
何かを選択する時って色々と判断基準があります。それぞれの選択における利害を考えてみたり。自分はどうしたいのか?を問いかけてみたり。
ですが、どう考えても正解が分からない選択と言うのはよくあります。どちらの選択にもそれぞれの理屈と正しさと想いがある場合なんて特に。
最後の選択、本当に悩みました。考えれば考えるほど分からなくなりました。だから最後は勢いで決めました。
だけど、エンディングの後で後悔しました。今も後悔しています。それは自分がその選択をした理由に気づいたから。自分が好きだからと言う理由ではなく、「こっちを選んだ方が物語の核心に触れられる、本当にテーマを知ることが出来る」一度しか選べない選択肢だから、「このソフトの本当の姿が分かる選択」そんな理由で選んでしまった自分に本当に嫌気がさしました。
ここからは自分の意見です。この最後の選択肢の構図は本当によく出来ていると思いました。「物語に囚われている少女」と「次元を超えて自分(君)を一途に愛してくれる少女」と言う構図。普通に考えれば物語としてのヒロインはアオイなんです。アオイを物語から解放した先にある結末こそがこのソフトのテーマであるように感じられました。そして、そこにアオイ自体に対するプレイヤーの好感度が加えられます。
対して、美雪はヤンデレと言う側面はあるものの、とにかく自分(君)を愛してくれます。その為に世界を作り変え、次元を超えて自分(君)と繋がってくれました。あのシーンは声優さんの演技もあって本当に印象に残っています。そして何より、ゲームの後半はずっと美雪と接しているので触れている時間が長い分、愛着が沸くんですよね。10の質問なんて無意味なぐらい美雪の色んな事を知る(知らされる)ぐらいに延々彼女と過ごしていましたから。
こうなると一度しか選べない選択肢で、ゲームの本質を取るか純粋に愛着が沸いているキャラを取るかと言う二択になったような気がしました。そして前提として美雪との約束は一度反故にしています。
こんな事を書いている時点で、敢えて書きませんが私がどちらを選んだかは明白だと思います。
今、本当に後悔しているんです。だけど、その後悔はもう無駄なんです。そんな行き場の無い気持ちを与えてくれたソフトでした。なんで私は自分でお金を払って買ったゲームでこんなに凹んでいるんだろう。嘆いているのだろう。落ち込んでいるんだろう。本当に意味が分かりません。
この選択はあくまでゲームの中の事であり、自分の人生には何も関わってこないでしょう。人生の転機なんてものでもありません。だからこそ、自分が趣味としてプレイしているゲームで、自分の意思で選んだ純粋な自分の選択に対して、後悔してしまいました。利害の全く無い純然たる自分の意思だけの選択なので、気持ちをぶつけるところが無くて余計に腹立たしいんです。だからこうやってBlogに書きなぐっている訳です。
だけど、最後の選択肢をもう一度選び直す事だけはしません。セーブデータの退避もしてません。(公式FAQの「よくある質問」にセーブデータの場所と言う項目があるゲームなんて初めてですよ)自分が選ばなかった方の結末を見る事だけはしません。それが自分の矜持です。
みなさんはどちらを選びましたか?