Marumaru's TinyPlaza

(2014.10.09)(book)百年法

『百年法』上・下/山田 宗樹


「HAVI」と言う不老不死の技術が開発された未来、人々は人口増加に備える為に「HAVI」処置から100年後に死なないといけない所謂「百年法」が制定された架空の日本の話。

最初は読みながらマンガの「イキガミ」を連想していました。人の生き死にを法律によって決められた世界で、目の前にそびえる「死」と言う現実に立ち向かう人の話って言うのはSFとしては王道パターンなのかもしれないけれど、面白いなぁと。

そんな惹きつけられる導入で始まった物語ですが、途中の展開は政治家の話になっていきます。政治家としての信念、死を司る法律、独裁政治、大統領直属の部隊、テロリスト、etc……。百年法を軸に様々な勢力が絡み合って物語が進んでいく展開は読み応えがありました。

改めて思ったのが、「不老不死」や「死を司る法」を登場させる物語と言うのはその設定だけで最初は興味を惹かれますが、風呂敷の畳み方が難しいですね。その点この作品は綺麗に終わらせていたんですが、「これしかないよなぁ」と言う物足りなさを感じたのも事実。

読了後、ガンダムUCの終わり方を思い出しました。




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