Marumaru's TinyPlaza

(2016.12.23)(book)恋のツキ

『恋のツキ』(2巻まで)/新田章


少し前に知って夢中になっていたんですが、魅力を表す言葉が見つからずBlogに書けずにいました。

何事においても、未経験の知らない事というのは魅力的に感じるものです。それは男女関係においても例外ではなく。

どこにでも居る三十路過ぎの女性、地味で大人しい人。今の彼氏と付き合っている理由は「必要としてくれたから」。 そんな彼女が、バイト先でふとした事から男子高校生との接点を持ちます。

漠然とした結婚への道筋を想像しながらも、倦怠感漂う彼氏との関係の中で、真っ直ぐに自分の事を見てくれる若い男の子は、それはそれは魅力的に映ると思います。

逆もまた然り、彼女は地味とは言っても彼氏との付き合いの中で相応のやるべき事は成している訳で、当たり前のようにそれを与えてくれる年上の女性は魅力的でしょう。


今の彼氏との関係は退屈な代わりに将来の安定を与えてくれる、そんな事は百も承知で、それでも若い果実の魅力に抗えずに手を伸ばそうとする彼女。それは世間一般では「浮気」と呼ばれる行為で、そんな事は許されない事だと、汚い事だと、当たり前の観念として思い込んでいる彼氏。

だけど、観念というものは自分の基準をどこに置くかによって、いとも簡単に変わってしまうもの。

二人がお互いに未知の魅力に惹かれあい、障害すらも燃焼材となって燃え上がる恋の炎。これは特別な二人じゃなくて、どこにでもよくあるありふれた二人のお話。

そんな二人の間に容赦なく突きつけられる現実。


そんなところで2巻が終わったものだから、もう先が気になって仕方ありません。もがけばもがくほどに泥沼にはまる展開が好きな人には是非ともオススメしたい本です。




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