Marumaru's TinyPlaza
(2017.01.02)(book)フライ・バイ・ワイヤ
『フライ・バイ・ワイヤ』/石持浅海
読み終わった時の第一印象は、「ハッピーエンドのマザーズ・ロザリオ(ソード・アート・オンライン7巻のサブタイトル)?」でした。ただ、それだと作品のテーマを三分の一ぐらいしか拾えていないかもしれませんが。
このテーマは人によって好き嫌いがあると思います。が、石持さん独特の会話でロジックを積み重ねて行く書き方のおかげで、あまり感情的にならずに読めました。
もう一つのテーマは、遠隔操作されたロボットの認識をどこに合わせるかというちょっと面白いもの。ロボットとして見るのか、その向こう側にいる個人を見るのか。これってネットゲームに通じるものがあると思いました。ネットゲームのキャラクタ同士が会話や戦闘を積み重ねて仲良くなった時、好意を持っているのはそのキャラクタなのか、そのキャラクタを動かしているディスプレイの向こうの誰かなのか……。
余談ですが、どうして病床に伏せる女性と聞くと、人は美少女を想像してしまうのでしょうか。これは、病床を薄幸や深窓に置き換えても同じです。これらの言葉を聞いた時に、何かしらの弱みを持つヒロインを自分が助けるっていう英雄譚を勝手に想像してしまうからなんでしょうかね。