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(2017.05.13)(book)ちはやふる34巻174首について

ストーリーもキャラクターも絵柄も熱さも、様々な部分で琴線に触れてはまってしまったちはやふるのマンガなんですが、どうしても語りたいシーンがあるので別記事で書きます。34巻174首の内容です。

※思いっきりネタバレなので、大丈夫な方のみ。




































『ちはやふる』34巻より


はい。このシーンです。青春すぎて辛い。

もともと、奏ちゃんは一番魅力的なキャラクターだと思っていたんですが、このシーンで好感度が鰻登りになりました。

無粋とは思いますが、この会話を自分なりに補完するなら、

  • 「好きっていってくれて、ありがとう」
    • 私に対して好意を持ってくれてありがとう。
    • 他の沢山の女子じゃなくて、私を選んでくれてありがとう。
    • 気持ちを伝えてくれてありがとう。
  • 「ありがとう、うそって言ってくれて」
    • ありがとう、机くんの私に対する気持ちを知っていて、私に机くんを譲ってくれて。
    • ありがとう、嘘だと言う事で私が返事をしなくてもいい様にしてくれて。
    • ありがとう、机くんが私に告白するように背中を押してくれて。
    • 何より、ありがとう、自分が傷つくのが分かって、そんな格好良い事をしてくれて。

こんな感じでしょうか。このシーンって、取り方によっては、告白してくれた肉まん君に対して、奏ちゃんは自分の気持ちを伝えておらず、シチュエーションに浸るずるい女のようにも感じられるかもしれないんですが、今までの奏ちゃんの描かれ方を見るととてもそんな風には見れないです。かなちゃんは素直で真っ直ぐな17歳の女の子ですから。

このシーン、肉まんくんが告白を嘘だと言い張っているんだから、奏ちゃんの方もこの告白は無かった事にしないといけない。そうしないと、せっかくの肉まんくんの勇気が台無しになってしまいます。だからこそ、肉まんくんの「好き」に対しての返答はYESでもNOでもなく「ありがとう」なんです。

全てを分かった上で、真正面から受け入れて変にはぐらかさず答える奏ちゃん。髪をおろし一張羅を着ておめかしをしていた時に言うのは、奏ちゃんから肉まんくんへの精一杯の思い遣りだと思うんです。自分を好きだと言ってくれた人、だけど自分には好きな人が居る、その人に告白をさせるように身体を張って頑張ってくれた人に対して、真摯に応える人なんだなぁ、と。

だからこそ、奏ちゃんはこんな色んな感情が入り混じった表情をしているんだと思うんです。決意を込めて肉まんくんに声をかけ、精一杯の笑顔を渡そうとして気持ちが溢れてしまった、そんな風に思える表情でした。私達は、これからもずっと友達だよ。そんな気持ちもあるのかもしれません。

あーーーーー。甘酸っぱい。何この青春。机くんは努力の甲斐もあって、ただの時間ではない宝物を得た訳ですが、出来る事なら肉まんくんにも幸せが訪れて欲しい。肉まんくん、かるた暦は長くて努力もしてるのに、どうも噛ませっぽい扱いが多いんですよねぇ。

かるた部の熱い戦いの脇で捲られる切ない青春の一頁。読んだ瞬間に色んな事が頭をよぎり、何度も読み返したシーンでした。




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