Marumaru's TinyPlaza

(2019.12.03)(movie)ペンギン・ハイウェイ

『ペンギン・ハイウェイ』


Amazonプライムで配信が始まったので観ました。

子供の頃の世界は、とても広くて果てなんか無くて、不思議と冒険とトキメキに満ち満ちていた。背伸びしたがりの小学生が、ミステリアスで綺麗なお姉さん、そしてクラスメイトと駆け抜けるとある夏の物語。

もう、本当に爽やか。今でこそ「おねショタ」って言葉で簡単にレッテルを貼ってしまうけれど、年上のお姉さんの魅力を余すところ無く描いていました。こんなお姉さんが居たら絶対に憧れる。そしてその後の人生を確実に拗らせる。

そして、研究熱心の主人公が潜在的なおっぱい星人で、おっぱいを熱く語ってたのが面白すぎる。うんうん、良いよね。

しかし、全体を通じて研究に対する姿勢、研究者とはかくあるべきか、というテーマについて語られているのが印象的でした。不思議な事が起こっても、その現象についての仮定を立てて、自分で考えて答えを導く事で道を切り開いていく姿がとても格好良い。そして、周りの大人達も良いんですよ。研究者の大人は、相手が子供だからといって舐めずに、一人の研究者として扱い、分からない事に対しても考え方の方法を教える。そして好きにやらせてくれる。

ちょっと不思議な事が起こるひと夏の経験系の物語はよくありますが、その不思議に対してここまで真っ向から研究しているのは珍しい。原作は森見登美彦さんの小説のようですが、読んだ事のある「夜は短し歩けよ乙女」と「夜行」を見ても、とても不思議な話が多いんですよね。現代が舞台なんだけど、世界の中に不思議な事が自然と紛れ込んでいる。SF……なのかな?

EDのスタッフロールを観て、CVが役者さんも多いけれど、実力派の有名な声優さんも多くて、だけど好きな人ばかりだったのに全然気付かなくてショックでした。全体的にアニメ特有の誇張した演技が少なかったように思います。

最後に、全体的にBGMが本当に素敵でした。映画を観ている時、BGMはシーンを引き立ててくれるものだからBGM単体で印象に残る事は少ないんですが、素晴らしく綺麗な映像が流れているにも関わらず、シーンを盛り上げてなおBGM自体の素敵さが際立って耳に残りました。すごく透明な感じの音。

冬に見てこれだけ爽やかなら、夏に見たらどれだけ爽やかになれたんだろう。




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