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(2021.04.30)(book)その着せ替え人形は恋をする 7巻

『その着せ替え人形は恋をする』7巻/福田 晋一


文化祭本番は次の巻に持ち越しなのかー!!というツッコミは置いておいて。

私が思うこの本の魅力は創作に対する楽しさを再認識する部分でした。

つまり、雛人形の頭師を目指す自己評価の低い五条くんが、クラスの中心で輝いている喜多川さんとコスプレ衣装というきっかけで接点を持って、コスプレ衣装制作において洋裁という畑違いのジャンルにおいても、雛人形で培った技術を応用して、異なるジャンルにおける制作が、創作という一点で結びついて昇華する。そして、それはとても楽しいんだと五条くんと喜多川さんを始め関わった人達が改めて感じる部分でした。

なんですが、この巻では今まで敢えて表には出さなかったコスプレ衣装制作(≒創作)について、文化祭のミスコン衣装制作で優勝するという目標のもと、クラスメイトに認められ、尊敬され、応援される。そして、それに自分の言葉で、素直な気持ちで応える五条くんが本当に眩しい。

このシーンです。

その着せ替え人形は恋をする 7巻/福田 晋一


なんかね。人にはみんなそれぞれ得手不得手があって、クラスと言う集団の中で、それぞれが得意な分野で頑張って、他の人はそれを応援する。頑張ってくれた人は素直に尊敬して、感謝する。そんな、みんながみんなを思いやる、プラスの事を中心に考えて回っていくクラスの姿に、青春を感じて、眩しさと羨ましさを感じました。

フィクションだからかもしれませんが、フィクションだからこそ、頑張りが認められて成功する劇を描いて欲しいと思いながら読んでました。そして、そんな事が結果的に二人の恋路を進める要素になればいいな、と。

関係ないんですが、この作品に出てくる女性ってとてもグラマラスなのにエッチさをあまり感じないんですよね。それよりも純粋に綺麗。何となくですが、身体の線を肉感的ではなくて、体型を表す記号のように描いていて、それ以上にその体系を活かす服飾の方に気合が入っているからでしょうか。あと、いつもお化粧をばっちりしている表現が魅力的です。




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