Marumaru's TinyPlaza

(2023.04.15)(book)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない

『砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない』/桜庭一樹


Twitterでとある方が「大好きな鬱小説」というテーマで4033人の意見を集計してランキングにするという企画をされていました。

その企画で2位にランクインしていた湊かなえさんの『告白』は読んだ事があったんですが、かなり後味の悪い作品でした。その『告白』に大差をつけて堂々の一位を獲った作品と言う事で気になって読んでみました。

後味が悪いと言うか、確かに鬱小説と言うにふさわしい内容でした。この本は今まで知らなかったんですが、富士見ミステリー文庫で出てたんですね。で、学生時代とかに読むと心をぐちゃぐちゃにされたかもしれない、と思いました。

人は色んな経験をして大人になっていく。思春期独特の感性で物事を受け止めて、消化して。だけど、大人になれないまま生涯を終えてしまう人も居る。海野藻屑はどうすれば良かったんだろう。親に愛されず、それでも壊れながら親を愛し続けた子の最後はあまりに不条理です。

海野藻屑なんて子は本当は居なかったんだ。山田なぎさの思春期の心が生み出したイマジナリーフレンドだったんだ。だから、なぎさが大人になると共に藻屑の姿は見えなくなってしまったんだ。無意識にそう思ってしまった作品でした。




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